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第六十三話 合宿の朝その八

「もう色々な宗教あるから」
「お話がまとまらないでしょ」
「仏教も神道もあって」
「キリスト教もあるわね」
「天理教だってね」
「本当に色々あって」
「もうね」
 それこそとだ、一華は彼女にさらに話した。
「大変なことになるわよ」
「宗教を持ち出すとね」
「多過ぎてね」
 その為にというのだ。
「カトリックとかプロテスタントとか」
「二つや三つじゃなくて」
「数えきれないだけあるから」
「仏教の宗派も多いわよね」
「数えきえないだけあるわ」
 日本の仏教の宗派は実に数が多い、浄土真宗や日蓮宗もあれば真言宗もあるし臨済宗もある。またその教えも多様である。
「本当にね」
「そんなのだと」
「もうね」
「言えないわよね」
「宗教出すとね、そもそも宗教でも」 
 こちらの話でもというのだ。
「同性愛はね」
「否定していないわね」
「お寺なんて昔は」
 一華は仏教の寺の話もした。
「同性愛がね」
「普通だったわね」
「女人禁制だったから」
 かつての寺はだ。
「それならってなって」
「同性愛だったわね」
「今は結婚出来るけどね」
 明治維新以降のことである。
「浄土真宗は昔から結婚してよかったけれど」
「お坊さんでも」
「それでも表立ってはね」
「結婚出来なかったわね」
「まあ密かに子供いる人もいたらしいけれど」
 江戸時代の侠客幡随院長兵衛も実は寺の僧侶の子だったという説がある、この辺りは定かではない様だ。
「それでもね」
「女人禁制で」
「同性愛はね」
「禁止されてなかったのね」
「勿論神道もで」
 こちらの宗教でもというのだ。
「お公家さんもお侍さんもね」
「普通だったのね」
「むしろ悪いことをしてるって言われて」
 それでというのだ。
「滅茶苦茶怒ったお大名いたのよ」
「確か言った人ザビエルさんよね」
「そう、あの人ね」 
 フランシスコ=ザビエルだというのだ。
「イエズス会の」
「あの人が山口に来て」
「大内家の殿様に言って」
 大内義隆である、後にその時の相手である陶晴賢に謀反を起こされ自害に追い込まれているのは歴史にある。
「殿様がね」
「滅茶苦茶怒ったのね」
「日本にはとんでもない悪徳が蔓延ってるって言われて」
「それで驚いてそれは何かって聞いたのよね」
「その悪徳がね、それでね」
「殿様も好きだったから」
「自分自身も言われてね」
 同性愛をだ。
「もうね」
「滅茶苦茶怒って」
「何が悪いかってね」
「逆によね」
「そうなったらしいから」
 だからだというのだ。
「日本ではね」
「同性愛はなのね」
「全くね」
 それこそというのだ。 
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