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冒険酒場のおかみ

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第三章

「うちは安いしいいだろ」
「それはな、じゃあ仲間達が上手くいかなくて帰ってきたらな」
「ワインのことを話すね」
「そうするな」 
 ウイスキーのお代わりを頼んでから言った、そして予想していた通りに不首尾に終わった仲間達にワインの話をして次の日また行かせると今度は上手くいった。それでだった。
 戦士はイーダにお礼のお菓子を出してから言った。
「悪いな、あんたのお陰だよ」
「どうってこそないさ」
 イーダは戦士に笑って返した。
「これ位はね」
「そう言うのか」
「お菓子は受け取るけれどね」
「そっちはいいんだな」
「くれるものは貰う主義でね」
 それでというのだ。
「お店の皆で分けて食べるよ」
「そうしてくれよ」
「じゃあね、あとね」
「あと。どうしたんだ?」
「今度ドムラーマの街に魔王軍の大軍が来るってね」
「そんな話が出てるのか」
「さっき聞いたよ」
 こう戦士に話した。
「だから王様も軍隊送るしね」
「俺達冒険者もか」
「王様は褒美は弾んでくれるよ」
 イーダは笑って話した。
「あそこの国の王様は出来た人でね」
「そうした時の気前はいいんだな」
「そうした人だからね」
 それでというのだ。
「だからあんた達もだよ」
「活躍したらか」
「思いきり褒美を貰えるよ、けれど今度の魔王軍は大軍でね」
 イーダは彼等の話もした。
「強いモンスターも多いそうだからね」
「気をつけろっていうんだな」
「装備を整えて」
 そうしてというのだ。
「ちゃんと策略や魔法を使ってだよ」
「戦えっていうんだな」
「そうしなよ、今酒場にいる冒険者の皆に言ってるからね」
 このことはというのだ。
「あんた達もだよ」
「用心してか」
「行くんだよ」
「わかった、じゃあそうして行って戦って来るな」
「そうするな」
 戦士も答えてだった。
 仲間達と共に装備を整えてからその街に向かった、他の冒険者達もそうしていった。その彼等を見送ってだ、
 イーダは店のウェイトレス達に言った。
「皆が帰ってきたらだよ」
「大丈夫ですか?」
「随分激しい戦いになるみたいですが」
「勝てますか?」
「今回こっちにはラインハルト将軍が参加するそうだよ」
 イーダは様々な種族の娘達で構成されるウエイトレス達に話した。
「あの人がね」
「えっ、あの人がですか」
「レベル七十のロードが」
「全部の魔法が使えて伝説の装備で身を包んだ」
「あの人がですか」
「あの人は軍を率いても常勝だからね」
 そうした人物が戦いに加わるからだというのだ。
「大丈夫だよ」
「魔王軍も大軍で」
「強いモンスターも多いですが」
「それでもですか」
「勝つよ、それで皆帰ってきてね」
 そうしてというのだ。
「ここで戦いの話をするからね」
「だからですか」
「忙しくなりますか」
「そうなりますか」
「なるよ、戦の勝ち負けの流れもね」
 そうしたものもというのだ。
「こうした仕事をしてるとね」
「わかるんですね」
「そうなんですね」
「冒険者の情報でね、負けたら皆命からがら逃げるけれど」
 その時はというのだ。 
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