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ハッピークローバー

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第六十二話 青く奇麗な海を観てその十一

「大丈夫よ」
「兎に角お風呂なのね」
「そう、ちなみにこのホテルってユニットバスじゃないでしょ」
「お部屋におトイレないわね」
「トイレはそれぞれの階に幾つかずつあるでしょ」
「そうよね」
「日本のホテルだから」
 それでというのだ。
「ユニットじゃないのよ」
「イギリスとかじゃそれが普通よ」
 ユニットつまり風呂場とトイレが同じ部屋にあるのがとだ、イギリスから来た同級生はイギリス人として話した。
「西洋じゃね」
「そうよね」
「日本でもあるでしょ」
「まあね、けれど私個人としてはね」
 一華は自分の好みを話した。
「ユニットはね」
「好きじゃないのね」
「おトイレはおトイレでしょ」
 それは外せないというのだ。
「お風呂とは完全によ」
「別のお部屋じゃないとなのね」
「どうもね」
 眉を顰めさせて述べた。
「抵抗あるのよ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「イギリスというか西洋の」
「ユニットバスはなの」
「嫌なのよ」
「日本にもあるけれど」
「マンションとかホテルでもね」
「それでも嫌なのね」
「そう、お風呂とおトイレは別」
 完全に別の部屋になっているべきだというのだ。
「確かにどっちもお水扱って近いのはお家の設計で普通だけれど」
「もう常識よね」
「水道の配置から考えてね」 
 一華もそれはわかっていた、飲みつつ話した。
「それはわかるけれど」
「それでもなのね」
「お風呂とおトイレが同じお部屋にあるのはね」
「嫌なのね」
「そこに洗面所とか洗濯機があるのも」
 これもというのだ。
「嫌よ」
「何かこだわり強いわね」
 同級生はここまで聞いてこう思って言った。
「一華って」
「洗面所と洗濯機は同じお部屋でもいいけれどね」
「お風呂場とおトイレは別ね」
「ええ、それで洗面所や洗濯機とおトイレもね」
「兎に角おトイレなの」
「おトイレはおトイレだけ」
 完全に別だというのだ。
「そうでないとよ」
「嫌ってことね」
「そう、そもそもおトイレって昔は汲み取りだったじゃない」
 一華はこのことも話した。
「そうだったでしょ」
「ああ、日本ではね」
「欧州では壺にしたりお部屋の端に穴があってよね」
「してたけどね」
「日本ではおトイレは完全に別のお部屋でよ」
「お家の外とかにあったのよね」
「それで汲み取りでね」
 そうした処理の仕方でというのだ。
「完全に別だったから」
「バスルームと一緒におトイレがあるのは」
「駄目なのよ」
「そうした理由ね」
「文化的なって言うのかしらね」
 イギリスから来た娘に話した。
「これって」
「おトイレも文化だしね」
「文化よね、やっぱり」
「お家も文化だしね」
「じゃあお家の中にあるね」
「おトイレもね」 
 一華に飲みつつ話した、二人もそして周りもどんどん酒が入ってきていて賑やかにもなっていてカラオケやダンスまで行われている。 
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