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夢幻水滸伝

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第二百八十二話 穏やかなビショップその十二

 そのうえでだ、ヴォネガットそれにジェーンに言った。
「五人が来るまでの間に戦の準備を進めるが」
「はい、そうしてですか」
「それと共にや」
 二人を見て言うのだった。
「ちょっと自分等のこれまでのことを聞きたいが」
「私達がこの世界に来てからですか」
「そや、わし等と一緒になるまでな」
「どないやったか」
「それをな」
「そうですか、では」
「僕ちんもですね」
 ジェーンも言ってきた。
「どないやったか」
「ああ、ロードアイランドの方でな」
 その州でというのだ。
「財団やってたやろ」
「その時のことをですね」
「聞きたいが」
「大した話やなくてもええですか」
「そう前置きした話程おもろいもんや」
 メルヴィルは謙遜して言ったジェーンに笑って返した、場にはボームもいる。
「そやからな」
「それで、ですか」
「これから二人の話をな」
「それぞれですね」
「聞きたいわ」
「ほな」
「ああ、順番決めてな」
 そのうえでというのだ。
「話してくれるか」
「わかりました」
「ほなジャンケンで決めましょうか」
 ヴォネガットはメルヴィルの言葉に頷いたジェーンに声をかけた。
「そうしましょか」
「そやね、こうした時決めるのは」
「くじ引きか」
「それかジャンケンが基本やから」
「そうですさかい」
 あからだというのだ。
「どうでしょうか」
「僕ちんもそれでええと思うで」
 ジェーンは笑顔で応えた。
「ほなそれで」
「決めましょう」
「そうしよね、ほなジャンケン」
「ポン」
 ジェーンはグーを出してヴォネガットはチョキを出した、これで決まりだった。ジェーンはこれを受けて言った。
「ほな今からお話します」
「それでは」
 ボームは微笑んで応えた。
「お願いします」
「そうさせてもらいます」
「ではコーヒーでも飲みながら」
「あっ、コーラにします」
 ジェーンは笑って応えた。
「今は」
「そちらですか」
「今はそっちを飲みたい気分なんで」
 それでというのだ。
「今はです」
「コーラですね」
「そっちにします」
「私はファンタを」
 ヴォネガットはこちらだった。
「グレープで」
「そちらですか」
「いただきます」
「ほなそれぞれ飲みながら」
「お話しましょう、ワテクシはコーヒーを」
「わしはレモンティーにするわ」
 メルヴィルも言った。
「それ飲みつつな」
「そうしてですね」
「話を聞かせてもらうわ」
「戦の準備をして」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「話をや」
「聞きますね」
「五人も待って」
 そうしつつというのだ。
「そのうえで」
「ほな今から」
 ジェーンは口を開いた、そうして自分のこれまでのことを話していった。


第二百八十二話   完


                     2022・11・15 
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