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夢幻水滸伝

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第二百八十二話 穏やかなビショップその四

「特定の宗教が政に入ることをや」
「防ぎますね」
「信仰は自由にしてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「宗教が政に入るらへん様にですね」
「頼むな」
「はい、政教分離はです」 
 ヴォネガットはこのことを話した。
「それは何故あるか」
「そうや、それはや」
「政治が宗教に関わるのではなく」
「宗教が政治に関わる」
「それを防ぐ為ですね」
「ちょっと前の日本ではや」 
 今自分達が起きている世界でいる国ではというのだ、今暮らしているだけにこの世界でも念頭にあることだ。
「政治が宗教に関わる」
「介入して圧力をかけたりする」
「そうしたもんと考えてたけどな」
「それはですね」
「実は違う」
「本来の目的は」
「ちょっと前の日本で国家権力ばかり警戒されてや」
 それでというのだ。
「その巨大化や暴走とかな」
「そうしたことばかり言われて」
「それでや」
「政教分離についてもでしたね」
「政治が宗教に介入する」
「そればかり言われてましたけど」
「実はな」
 メルヴィルはさらに話した。
「特定の宗教がや」
「政治に関わってですね」
「国家単位で自分達の勢力圏に組み入れる」
「そうすることを警戒して」
「そしてや」
「出た考えですね」
「元々フランス革命からの考えで」
 この時に出たものでというのだ。
「当時フランス王国にカトリックが密接に関わってた」
「聖職者が特権階級で」
「貴族と共にな」
「それでかなり、でしたね」
「政治に関わってた」
「普通に枢機卿が政府の高官になっていましたし」
 ジェーンも言ってきた。
「リシュリューにしても」
「ああ、そういうのを見てもな」
「ローマ=カトリック教会がでしたね」
「かなり入っててな」
 フランスの政治にというのだ。
「それを退ける為にや」
「出た考えでしたね」
「わしは神様は信じてるが」
 尚メルヴィルはプロテスタントである、アメリカ国内にあるそちらの一派に家族単位で入信しているのだ。
「信仰は大事にしてもな」
「特定の宗教が勢力に介入してくると」
「そして他の宗教に圧力加えたりするとな」
「それだけで乱れますね」
「この世界のアメリカも宗教はモザイクやしな」
「そうですね」
「起きた世界ではです」
 ボームはそちらの世界のことを話した。
「合衆国はプロテスタントが多いですが」
「それでカトリックもあってな」
「他の宗教も、ですが」
「こっちの世界やとな」
「キリスト教以外にです」
「ケルトや仏教や道教、イスラムもあってや」
「ネイティブの信仰も盛んですね」
 こう言うのだった。 
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