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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその十

「尚更だ」
「充分に英気を養っていなければ」
「勝てるものではないですね」
「絶対に」
「そうした戦争こそですね」
「事前に休んでおくべきですね」
「こうした時も決断だともだ」
 アブーはこの言葉も出した。
「兄上は言われた」
「流石主席です」
「あの方ならではのお言葉です」
「よくわかっておられます」
「ならですね」
「そのお言葉通りにだ」
 まさにというのだ。
「将兵達にはな」
「的確にですね」
「休んでもらいますね」
「その為にもですね」
「施設作業が終われば」
「その時は」
「ベッドにおいてだ」
 その中でというのだ。
「休んでもらう」
「左様ですね」
「そして充分な英気で、ですね」
「戦ってもらいますね」
「そしてそのうえで」
「勝ちますね」
「勝利だ」
 アブーはこの言葉も出した。
「戦争の目的は何かというとな」
「まさにそれしかないですね」
「戦争の目的は勝利ですね」
「それ以外にはないですね」
「他のことはないですね」
「戦争は政治の中にあるなら」
 それならというのだ。
「その政治的な目的を達成する為にな」
「他にはないですね」
「選択肢は」
「まさに勝利のみですね」
「他にはないですね」
「勝利の為にあらゆることをしてだ」
 そのうえでというのだ。
「確実にそれを手にする」
「そうした状況にすることですね」
「重要なことは何かというと」
「それで、ですね」
「この度もですね」
「我々は」
「休むことも必要だ、禁欲主義のみで勝利は得られるか」
 アブーはこうも言った。
「眠ることは確かに欲求の一つだ」
「食欲、性欲と並びますね」
「人間の根本的な欲の一つですね」
「それに他ならないですね」
「それで戒める宗教もありますね」
「仏教の禅宗だったか」
 こちらの宗派かも知れないというのだ。
「確かな」
「睡眠欲を戒めているのは」
「その為あまり寝ないこともですね」
「欲の一つであってですね」
「あまり眠らない様にしていますね」
「実際禅宗の僧侶達はあまり寝ない」
 その様にしているというのだ。
「一日多くて四時間だ」
「それ位ですね」
「あえてそれ位しか眠らない様にしていますね」
「あちらの宗教ではそうですね」
「そうしていますね」
「そうだ、しかしだ」
 それはというのだ。 
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