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夢幻水滸伝

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第二百八十一話 州の南北でその一

               第二百八十一話  州の南北で 
 メルヴィルはボームの話を聞き終えてしみじみとした顔で述べた。
「色々あったんやな、自分も」
「そうですね、今思うと」
「ああ、ほんまにな」
「ですがワテクシは比較的です」
「戦してもか」
「穏やかでしたね」
「そう言ってええか」
 ボームにこう返した。
「まだ」
「そうですね、ですが」
「ですが?」
「いえ、こうしてです」
 ボームはメルヴィルにあらためて述べた。
「色々お話をして思ったのですが」
「何をや」
「いえ、結局州の統一はです」
「通過点か」
「そうですね」
「そやな、それで終わりやないわ」
 メルヴィルもこう述べた。
「ほんまに」
「そうですね、統一しますと」
「それから内政や」
「それに入りますね」
「本格的にな」
「左様ですね」
「わしもそやしな、あとわしの方も後日話すが」 
 これまでどうしてきたかをというのだ。
「自分のことはわかったわ」
「それは何よりです」
「それでマサチューセッツが手に入ってな」
 そうしてというのだ。
「治めることになったわ」
「左様ですね」
「これは大きい、しかしな」
「それで終わりやないです」
「今言った通り通過点や」
 それになるというのだ。
「ほんまにな」
「左様ですね」
「それでこれからどうするかやが」
 メルヴィルはボームにあらためて述べた。
「今わし等は六つの州を完全に掌握してや」
「ニューヨーク州、マサチューセッツ州、バーモント州、ロードアイランド州、コネチカット州、ニュージャージー州と」
「そしてニューハンプシャー州に勢力を及ぼしてる」
「そこでメーン州のヴォネガット君と境を接せんとしていますね」
「そしてペンシルバニアのや」
「エミリー嬢と」
「そうなってるわ」
「南北にそれぞれ確かな勢力があり」
「接してるとなるとな」
 ボームに真剣な顔で話していくのだった。
「衝突もや」
「有り得ますね」
「どっちともな」
「そうした状況ですね」
「今のわし等はな」
「うかうか出来ませんね」
「それでや」
 メルヴィルは確かな顔になり話した。
「まずどっちと主に対してな」
「仲間にするかですね」
「それが重要や」
「勢力が大きいのはやはりです」
 ボームは自分と向かい合って座るメルヴィルに話した。
「エミリーさんですね」
「ペンシルバニア州を完全に掌握してるな」
「その為に」
「そやな、あの娘が仲間に入るとな」
「勢力もかなり大きくなります」
 ボームは言い切った。 
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