異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~
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㉚
前書き
緊急ニュースが朗らかに終わる・・・。
-㉚ロックフェスに向けて-
エラノダ「いや、先輩私の台詞ですから。」
エラノダの弱めのツッコミでニュースが終わった瞬間に光の電話が鳴った、林田警部だ。
林田(電話)「光さん、報告がありまして。」
光「急ですね、唐突にどうされたんですか?」
林田(電話)「私と利通、そして先日の板前のえっと・・・。」
光「ヤンチさんですか?」
林田「そうです、ヤンチ君です。私たち3人でバンドを組むことになりまして、今度のロックフェスを見に来て頂けませんか?」
光「いいですけど、どうしてそんな組み合わせに?」
林田(電話)「元々親子2人で出ようと話していたんですが、ヤンチ君が参加させてほしいと要望してきましてね、板長さんも推薦してきたんですよ。」
光「でも3人共楽器なんて出来るんですか?」
林田(電話)「まぁ、何とかなるでしょう。」
電話を切り冷蔵庫を開けて牛乳を1口飲んで学生の時自分もバンドを組んでた事を思い出していた。ただあの時のバンドメンバーとはよくある方向性の違いが理由で解散してしまったのだ。
一方その頃、王宮ではエラノダが他の国王達に相談を持ち掛けていた。自分達も出てみないかと。他の2人もノリ気になって早速練習しようとしていたが、物置に楽器やアンプ等を自分達で取りに行こうとしていた時に場内にいる王国軍の小隊長や大隊長、ましてや将軍クラスの者たちに全力で止められてしまった。
将軍「国王様方、ご自分でお持ちになるとお怪我をなされる危険がございます、私共がお部屋までお持ち致しますからこちらに置いて下さいませ。そこのー、大隊長、手伝ってくれ!」
金の鎧の大隊長、そして銀の鎧の小隊長が集まって3人のバンド道具を搬入していった。実はこの3人、昔からバンドを組んで毎年フェスに出場していた。ただ場の空気が変わってしまう事を恐れ正体を隠して出場している。
将軍「国王様・・・、あの・・・、恐れ入りますが少々よろしいでしょうか?」
エラノダ「どうされました?」
将軍「毎年疑問に思っていたですがドラムとベースはどうされているのですか?」
エラノダ「今年もこの3人だけでやろうと思っていますが。」
毎年国王達のバンドはギターボーカルのみで、ベースやドラムが居ないので正直言うと他のバンドに比べたら迫力が無い。そこで将軍がある提案をした。
将軍「実は先日より我々でメンバーを組んだのですが、皆音痴ばかりでボーカルがいないんです。宜しければ王様方とご一緒させて頂けませんか?」
あくまでも下手に出てエラノダが気を遣わなくてもいいようにした。その気遣いが効いたのかエラノダたちは快諾した。
そして王様クラス3人と将軍クラス3人、合計6人がメンバーを組む事になった。
ただ練習を始めると将軍たちの想像以上に王様3人が酷かったという状況が続き、将軍たちは頭を抱えていた。
そこで街で有名な『万能人』を呼ぶ事にした、ゲオルだ。ゲオルは商売や魔法以外も何でもできる雑貨屋の店長で有名なリッチだ。今年もステージの音響設備等を任されていた。
ゲオル「王様に謁見させて頂けるとは、誠に光栄でございます。」
エラノダ「実は・・・。」
エラノダはゲオルに包み隠さず全て伝えた。ただエラノダ達が毎年正体を隠して参加していることを街の皆知っている事をゲオルは黙っていた。
場内に入りゲオルの指導の下で練習が始まった。国王達の汗がサウナに入っている時の倍以上流れていた。
ゲオル「ここまで練習すれば何とかなるでしょう、では私はこの辺で。」
エラノダ「どうぞ、報酬を受け取って下さい。」
ゲオル「そんな・・、勿体なくていただけませんよ。それに私も楽しかったですし。」
ゲオルと別れエラノダ達は毎日練習を重ねて行った、時間の許す限り。女王や他の王族達が過去に見たことない位に必死だった。本番の日が近づくと食事をとる時間を飛ばしてまで練習していた。王族として、そして1人のバンドマンとして恥じない物にしたいという一心だった。
ネフェテルサロックフェスの前夜となった、エラノダ達は指に豆が出来る位にずっとギターに食らいついていた。
後書き
ロックフェスはすぐだ。
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