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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその八

「今頃だ」
「間に合わない」
「そうした風になっていた可能性もありましたね」
「ここは」
「遅れていて」
「そうだった、若し防衛ラインの施設が出来ていなければ」
 その時はというと。
「もうだ」
「戦争にならない」
「左様ですね」
「防衛ラインが整っていなければ」
「その場合は」
「そうなっているとな」
 実にと言うのだった。
「私にしてもだ」
「どうにもなりませんね」
「戦えるものではないですね」
「その場合は」
「最早」
「そうだった、だがこの調子でいくとだ」
 今の作業の進展状況ならというのだ。
「きっとだ」
「間に合う」
「そしてですね」
「万全の状況で戦えますね」
「次の戦闘は」
「間違いなくな、だからな」
 それでというのだ。
「いい判断だったと思っている、しかし気になることは」
「将兵達の疲労ですね」
「それの蓄積ですね」
「そのことですね」
「酸素タンクでの休養は摂らせているが」
 それでもというのだ。
「どうだろうか」
「そのことですね」
「果たしてどうか」
「そしてその疲労が戦闘に影響しないか」
「それが問題ですね」
「進軍の速度を速めて戦場に行く」
 そしてとだ、アブーはここで例えも出した。
「だがな」
「それでもですね」
「それで疲れていればですね」
「意味がないですね」
「そうだ、それで疲れていて戦えないならだ」
 例え戦場に着いてもというのだ。
「同じだ」
「左様ですね」
「将兵の疲労も問題ですね」
「そちらも」
「そうだ、疲れを知らない人間なぞいない」
 現実としてそうだというのだ、人間には体力が存在していてそれがなくなってしまうと動けなくなるのだ。
「気力もそうだが」
「若しですね」
「体力がなければ」
「それがないとですね」
「どうにもならないですね」
「そうだ、体力なくしてだ」
 まさにというのだ。
「人間は動くことすら出来ない」
「軍人は鍛えられていますが」
「戦場で戦うだけに」
「それだけにですね」
「勝つならですね」
「体力あってこそですね」
「そうだ、だから休養は摂らせているが」
 それでもと言うのだった。
「果たしてな」
「疲労は蓄積しているか」
「それが問題ですね」
「今は」
「作業が順調なら」
「三度の食事とだ」
 それに加えてというのだ。 
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