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ドリトル先生とタキタロウ

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第六幕その八

「美味しいよ」
「美味しいんだ」
「それは何よりだよ」
「僕達も美味しくなる様に作ったしね」
「食材切ってお鍋で煮てね」
「ルーで味付けして」
「あとご飯も炊いたからね」
 皆は笑顔で応えました。
「そうしたからね」
「飯盒のご飯も美味しいよね」
「これって凄い発明だよね」
「コツさえわかれば美味しいご飯が沢山炊けるんだから」
「それも結構簡単にね」
「そうだよね、こんなものがあるなんてね」
 先生は笑顔で言いました。
「流石日本だね」
「そうだよね」
「スタッフの人達も飯盒使ってるけれど」
「それで炊いているけれど」
「慣れてるわね」
「そして楽しく炊いているよ」
「全くだよ、けれど僕がしたら」 
 カレーを美味しく食べつつ少し残念そうにお話するのでした、見れば皆でカレー鍋を囲んで仲良く食べています。
「これがね」
「まあ先生はね」
「家事は全く駄目だからね」
「野外でもね」
「あとスポーツもだしね」
「そういうのはね」
 全くと言う先生でした。
「出来ないからね」
「そうだね」
「先生の場合はね」
「こと家事とスポーツはね」
「全く出来ないね」
「そうなんだよね、僕は得手不得手がはっきりしているから」
 先生はご自身のお話もしました。
「学問は出来てもね」
「読書と検証と執筆とね」
「分析もフィールドワークもね」
「全部得意だけれど」
「それでも家事やスポーツはね」
 こうした身体を動かしたりするものはというのです。
「全く出来ない、生活力がないからね」
「だから僕達がいるんだよ」
「先生といつもね」
「一緒にいるのよ」
「先生ってそうした人だから」
「そのことがわかっているから」
「そうだね、だから皆がいてくれて嬉しいよ」
 先生は心から言いました。
「王子にトミーもいてくれてね」
「若し皆がいないと」
「先生どうなってるかな」
「お掃除も出来ないし」
「服を畳むのも下手だし」
「うん、皆がいてくれないと」
 先生はというのです。
「本当にだよ」
「どうしようもないわね」
「何も出来ないね」
「学問は出来てお仕事はあっても」
「家事は出来ないから」
「子供の頃からだからね」
 それこそというのです。
「僕は」
「その頃から学問は出来ても」
「家事は全く駄目で」
「スポーツもだよね」
「そちらについても」
「そうだよ」
 まさにと答える先生でした。
「得意なスポーツは全くないよ」
「それがいいんだよね」
 ホワイティはここで先生にこう言いました。 
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