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X ーthe another storyー

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第四話 神犬その九

「戦いに勝って」
「そうしてやな」
「世界を救いましょう」 
 こう言うのだった。
「必ずね」
「人間をな」
「ええ、ただあの人は」
「遊人さんやな」
「悪い人と感じないし」
 それにというのだ。
「人間的にね」
「思うやろ」
「ええ、それでもなのね」
「地の龍になる運命でな」
 それでというのだ。
「それにな」
「従っているのね」
「そうみたいやで、本人さんが言うなら」
「そうなのね」
「地の龍世界を滅ぼすわい等の敵でもな」
 空汰は考える顔で話した。
「別にや」
「悪人でなくて」
「人間やっちゅうことやな」
「そうなのね」
「そやけどな」
「戦うしかないわね」
「ああ、わい等が天の龍でな」
 そしてというのだ。
「あの人が地の龍なら」
「そうするしかないのね」
「例え馬が合ってええ人でも」
「戦うことが運命なら」
「戦うしかないんや」
「世界を賭けて」
「そや、あの人以外の地の龍は知らんけどな」
 誰が誰かというのだ。
「そういうことや」
「そうなのね」
「ああ、他の地の龍もな」
「人間なのね」
「そやろな、しかしな」
 ここで空汰は顔を険しくさせてこうも言った。
「桜塚護はどうやろな」
「あの暗殺集団の」
「知ってるか」
「ええ、陰陽道を用いたね」
「どうもあいつもな」
「地の龍なのね」
「そうみたいや」
 こう言うのだった。
「ここ数年表に出てへんらしいが」
「伊勢でも悪名を聞いてるけれど」
「高野山にも届いてるわ、東京におってな」
 そうしてというのだ。
「自分の母親を殺して」
「そして跡を継いで」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「陰ながら仕事をしてた」
「その様ね」
「そしてその桜塚護もや」
 その彼もというのだ。
「どうもな」
「地の龍の一人なのね」
「そうみたいやな」
「それは確かな話かしら」
「いや、そうかも知れんってな」
 その様にというのだ。
「わいが感じてるだけや」
「そうなのね」
「けど可能性があるやろ」 
 嵐に顔を向けて彼女に問うた、どうかという顔で。 
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