異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~
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⑰
前書き
捜査の準備は着々と進んでいった。
-⑰事件解決の為に-
次の日、光は久々のバトル・・・、いや捜査に向けて車のセッティングを行っていた。渚の二の舞にならぬよう、凄惨な事件が二度と起きぬよう林田もセッティングに立ち会った。車のプロとして店を休みにした珠洲田が同伴した。今夜事件現場になると思われる街はずれの「通称:お風呂山(皆が通う銭湯があるため)」のコースはアスファルトのオンロードで所々に緩やかなコーナーが続く。光の車は軽の為小回りが利きやすいので軽い体重も助けインを攻めやすかった。珠洲田は光のオーダーに応えコーナー明けの加速に重きを置いたセッティングにした。
夜の8時、銭湯の主人に協力を得て店を早めに閉めてもらった。ただ営業中を装うため客が帰った後も電灯はつけたままにしてもらっている。目立たないようにいつも使っているご立派な乗用車のパトカーは使わず全車両軽乗用車や軽トラを中心とした覆面パトカーを使用し駐車場に止めた。しかし、犯人逮捕の為パワーアップさせてある乗用車のものも用意していた。
勿論、向かい側の駐車場にも車を止める。全員普段着を着るなど可能な限り自然な見た目にして走り屋達が山を登っていくのを見届ける事にした。林田は光に相談や提案をしつつ指示を出していく事にした。
林田「お1人で大丈夫ですか?何なら護衛を付けますが。」
光「なら、女性の方を1人お願いできますか?印象良くなると思うので。」
林田「良いですとも、何でも仰ってください。」
林田は女性の刑事を1人連れてきた。元々カートなどのモータースポーツに精通している人間がいたので丁度呼び出しておいたのだ。ただ見たことがある様な気がしたが。
林田「刑事のノームです。きっとお役に立つかと思います。」
ノーム「宜しくお願いします。」
光とノームは握手した。林田は作戦を伝えた。
林田「無理にとは言いませんが、最初に山を登る時から全力でお願いします。走り屋達側に印象付けて興味を持たせ向こうからバトルに誘うように泳がせて下さい。バトルが始まる直前にこの無線機でご連絡頂ければ山の下で我々が準備しますので。下まで走らせ、検挙していきます。ただ敵も数台走っていました、こちらも後ろから数台追いかけようと思います。彼らに何か聞かれたら走り屋のチームメンバーを装い答えて下さい。あなたを中心としたバトル参加組と山頂勢検挙組に分かれて作戦を遂行していきましょう。先程申し上げた通り全力で走っても大丈夫、安心してください、ノームには念の為酔い止めを飲ませていますから。」
各自車に乗り込みその時を待った。
9時20分、けたたましい排気音やスキール音と共に走り屋チームが山を登って行った。
光「あのペースだと山頂まで5分程度で着くでしょう。余裕を持って10分後に私が出発します。」
林田「では3台が後続します、後はお願いします。」
光「あの・・・、登る時私もう少し下からスタートしてもいいですか?その方がしやすいので。」
林田「構いませんが、燃料は大丈夫ですか?」
光「安心してください、魔力ですよ。」
林田「ありゃぁ~、ここ異世界だったわ。」
光は渾身の1発が決まったので魔力を流し込んで起動させた車に乗り込みセカンドからサ-ドに入れ、少し下に移動した。そう、『カフェラッテ』はマニュアルだ。入り口近くに着くとノームに言った。
光「ノームさんでしたっけ、警部さんには全力でと言われてますが8割程度にしておきますね。」
ノーム「良いわよ、全力で。まさかあなたの運転に乗るとはね。」
光「へっ?」
ノーム「普段は偽名であなたに会ってるわ、私をよく見て。あっ、眼鏡眼鏡・・・、ほら。」
見覚えのある顔がそこにあった。そう、あの優しい受付嬢の。
光「ドーラ?!」
ノーム(ドーラ)「やっと気づいたのね、これ伊達メガネなの。本当は裸眼だからよろしく。」
光「は・・・、はい・・・。では行きますね。」
ギアをローに入れサイドブレーキを上げエンジンをめいっぱい回した後、半クラッチの状態にする。
光がドーラに合図し、サイドブレーキを一気に降ろして、作戦開始だ!!!
後書き
一斉逮捕へ!!!
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