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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その四十四

「近くに連合の観戦武官達を乗せた艦がいますが」
「あちらの艦か」
「はい、ロシア軍のものが」
「我々の動きを観ているのだな」
「そうしてです」
 観戦してというのだ。
「学んでいるかと」
「そうか、観たいならだ」
 それならというのだ。
「勝手にしろとしかだ」
「言えないですね」
「そうだ」
 そちらについてはと言うのだった。
「むしろ観るななぞとな」
「言う方がおかしいですね」
「観戦武官は観ることが仕事だ」
「そのこともありますね」
「存分に観てもらう」
「今の我々も」
「そうしてもらう、我々もだ」
 自分達もというのだ。
「観戦武官なら同じだな」
「はい、それこそです」
「その軍のことを隅から隅まで観るな」
「そうします」
 実際にとだ、船務長も答えた。
「やはり」
「だからな」
「同じですね」
「我々も観戦武官ならそうするしだ」
 艦長はまた言った。
「彼等がそうしてもな」
「構わないですね」
「どれだけ観ても」
「そうしていても」
「好きにさせればいい、むしろ意識せずな」
 その観戦武官達をというのだ。
「我々は防衛ラインに向かおう」
「そうしていくべきですね」
「では、ですね」
「我々は速度を速め」
「ことを進めていきますね」
「そうする」
 こう言ってだった、艦長は自身が動かす艦の速度を全速にさせた。そうして一路防衛ラインに向かうのだった。 
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