異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~
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⑭
前書き
林田にはこれから色々と相談出来る気がする。
-⑭初めて会った日本人-
話を聞いているとどうやらこの林田という刑事、光と同じ経路でこの世界に転生してきたらしく、同様に神様からの色んなプレゼントをもらっていたらしい。言語も日本語に自動翻訳されていたので光の免許証も日本語のまま見えていたそうだ。
林田「では、部下を待たせていますので失礼致します。」
光「あの警部さん。」
林田「林田で良いですよ、どうされました?」
光「またお話しできますか?実は転生者は自分だけだと思っていたので不安だったです。」
林田「勿論、これが私の連絡先です。」
林田は光に名刺を渡した、携帯の番号とメールアドレスが記されている。こっちの世界で使う事は無いと思っていたので携帯と充電器はアイテムボックスにしまっていた。
林田たちが光の家を去った後、光は家庭菜園の雑草を取り除き水やりをして街に出かけて行った。遂に車・・・、というより軽トラを見に行くのだ。
軽トラ屋は街の入り口付近にあった、因みに乗用車は王都に行くと手に入るらしい。しかし、そこまで大きい車は必要ないしいざという時に農業の手伝いができたらという気持ちから光は軽トラを買う決心をしていた。
光は看板を見て後ずさりした。どこからどう見ても日本の国産車メーカーの看板に見える。ただよく見てみたら・・・。
光「ス・・・、ズ・・・、タ?スズタなのね?ははは・・・、どこまで日本に寄せてんの・・・。」
そう呟きながら店に入った。普通の荷台が載っているタイプから緑色のほろが付いているもの、ダンプタイプなどの種類が揃っていた。ただどれも一律100万円と言うのだから驚きだ。
因みに皆が大抵軽トラを買うので軽トラ屋と呼ばれているだけで実は軽乗用車も無い事は無い。箱型のバンタイプのものもあるので選択肢は多い、ただそれらも全部100万円だそうなのだ。奥から店主が出てきて声をかけた。
店主「いらっしゃい、どのような物をお探しで?」
光「荷物が沢山乗るものを思ったので軽トラが良いかなと思ったんですが・・・、どれも一律価格なんですね。」
店主「その方が分かりやすいでしょ、ハハハ・・・。」
まさかの理由に光は顔が引きつっていた。
気を取り直して車を見よう、今思えば軽トラだと雨の時に困る。ではほろが付いている物にしようか、いやそれだとバックの時後ろが見えづらい。ダンプタイプは・・・、正直いらない機能だ。箱型のバンタイプにしようか、だったら軽乗用車のほうがいいかと色々悩んだ末にドーム型の軽乗用車を買う事にした。
光が現金を渡すと店主が席を離れ、少し待つように言った。今から納車が楽しみで仕方ない、ただ店主は納車の時期を伝えて来なかったのでまた聞こうとしていたその時。
店主「お待たせしました、光さんのお車ですよ。」
店先に店主と相談していた通り作られた軽乗用車が止まっている。いくら何でも早すぎる。まさかと思い光は店主に尋ねた。
光「もしかして店主さんって日本から転生された方なんですか?」
店主「そうですよ、この車も『作成』で作りました。それにしてもよくお気づきで。」
光「看板に『スズタ』って書いていたので。」
店主「はい、私が珠洲田ですから。」
光「意外と難しいのね・・・。」
連続して転生者に出会ったので混乱するなか、軽トラ屋の前をミーシャが通った。
ミーシャ「あらあんた、車買ったのかい。それにしてもこの辺りじゃ珍しいの買ったね。」
光「買い物した時に荷物が沢山積めて雨が降っても安心できる物にしたんです。」
ミーシャ「そりゃいい買い物したじゃないか。どれ、よかったら店まで送ってくれないかい?」
光「分かりました。」
珠洲田「では、お買い上げありがとうございます。くれぐれも安全運転でお帰り下さい。」
光は助手席にミーシャを乗せ出発した。新車独特の匂いがプンプンとしている。ゆったりとした速度を保ちながらも光自身はルンルンとした気分だった。ミーシャも釣られてルンルンとしている。
ミーシャを降ろし家へ帰ると買ったばかりの車を慎重に玄関の横に止め、家の中へと入って行った。ただ、その日の夕飯の買い物を忘れていたのですぐに乗る羽目になったのだが。まぁ、いいかと光は車へ乗り込んだ。
後書き
色々と日本に似すぎている様な・・・。
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