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博士の挑戦状

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第七話

               第七話  博士がこの日殺した人数
 あるニュースキャスターは博士の商店街での凶行を聞いて呆れて言った。
「あの、弱い者いじめはよくないですが」
「それでもですよね」
 話をしたスタッフも言った。
「五人一瞬で殺すとか」
「立派な大量殺人ですよ」
「普通の人なら凶悪犯罪ですよ」
「しかも現行犯ですから」
 動画も撮られていてネットで出回っている。
「とんでもないですね」
「本当に普通の人なら」
「はい、許されないですね」
「そうなんですよね」
「ですが博士ですからね」
 キャスターは言った。
「そうしたことをしても」
「普通に思えますね」
「もうそれこそ」
 何と言ってもと言うのだった。
「いつもですからね」
「博士がそうしたことをするのは」
「その辺りのチンピラとかヤクザ屋さんに対してで」
「一般市民は狙わないですからね」
 このことは徹底している。
「博士の美学とかで」
「だからまだ許されますね」
「それに法律の外にいますから」
「二百億歳ですしね」
「どう考えても人間じゃないですから」
 世界の誰もがわかっていることだ。
「生物学的に」
「それじゃあですね」
「もうあの人が何をしても」
「それでもですよ」
 そうしたことをしてもというのだ。
「まあ事故ってことで」
「というか殺されるのがヤクザ屋さんとかなら」
「誰もですよ」
 それこそというのだ。
「怒りませんよ」
「ただ事実を報道してですね」
「終わりということで」
「今回もそれで済ませますね」 
 こうした打ち合わせをしてだった。
 キャスターは番組内で博士の今日の殺害人数を述べた、最初は五人だったがその後でヤクザ屋さんを三人殺したので八人となった。
「八人殺せばもう」
「シリアルキラーですけれどね」
 スタッフはキャスターに番組が終わってから述べた。
「まあ博士ってことで」
「終わりですね」
「そうです」
 こう話してだ、放送後のミーティングに入るのだった。


第七話   完


                2022・11・4 
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