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勝海舟の身長

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第二章

「そうだったのよ」
「えっ、男の人で?」
「大人のね」
「随分小さいわね」
「そうよ、だからあんたも昔の日本だったら」
 幕末のというのだ。
「男の人で小柄で」
「女の人なら普通だったの」
「むしろ大きいかもね」
「そうなのね」
「これ一説だけれど」 
 萌美はこう前置きして自分の隣を歩き見上げてきている良夏に話した。
「勝海舟さんあんたと同じ位の背よ」
「えっ、一四九なの」
「あくまで一説だけれどね」
「それって滅茶苦茶小さいじゃない」
 驚いてだ、良夏は言った。
「今だと小学校高学年位よ」
「そんな大きさよね」
「大人の男の人にはね」
 それこそというのだ。
「思えないわよ」
「ちなみに全身像こんなのよ」
 萌美は自分の鞄から携帯を出した、そのうえで良夏にある画像を見せた。その画像は一体何かというと。
 袴姿でポーズを決めているわりかし整った威勢のいい感じの顔の若い武士だった、萌美はその武士の全身像を見せて良夏に話した。
「勝海舟さんよ」
「若い頃ね」
「そう、別に小さく見えないでしょ」
「別に一七〇あってもね」
 それでもとだ、良夏はその勝海舟の画像を見て答えた。
「不思議じゃないわ」
「そうでしょ、けれどね」
「一説ではなの」
「一五七という説もあるけれど」
 それでもというのだ。
「一四九だったともね」
「言われてるのね」
「そうなの、昔と今でね」
「背も変わるのね」
「食べるものの関係が大きくてね」
 それでというのだ。
「そうなるのよ」
「そうなのね、いや私が勝海舟さんと同じ背丈とか」
 良夏はその画像を観つつ言った。
「思わなかったわ」
「そうなのね」
「ええ、まあ小柄は小柄でいいってことで」
 それでというのだ。
「私は思ってるしね」
「いいのね」
「ええ、実は顔立ちとかスタイルには不満に思ってないし」
 自分のこのことも話した。
「子供の頃から小さいと言われてもそれで?だし」
「コンプレックスないのね」
「別にいいわ、むしろ勝海舟さん嫌いじゃないし」 
 それでというのだ。
「そっちの方が面白いわ」
「じゃあいいのね」
「これからそのこと言うわね」 
 笑って萌美に告げた、そして一緒に帰っていった。そうしてそれから自分の背が勝海舟と同じ高さだと言う様になったのだった。


勝海舟の身長   完


                  2023・1・19 
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