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ドリトル先生とタキタロウ

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第五幕その八

「ないです」
「そうですね」
「鯉もないですね」
「伝え聞く姿は鯉とは違います」
「どう考えても」
「鯉も確かに大きいです」
 このお魚もというのです。
「大きいもので一メートルはありますね」
「はい、鯉は大きくなります」
「確かに」
「環境次第でそうもなります」
「また個体によって」
「僕も伊勢神宮で見ました」
 先生はご自身のお話もしました。
「錦鯉ですが」
「あちらにはいますね」
「素晴らしい錦鯉達が」
「寄進されて」
「そのうえで」
「奇麗な彩で」
 錦鯉の中でもです。
「しかもですね」
「はい、大きさもです」
「環境と栄養がいいのでかなりのものになります」
「実際どの鯉も大きく」
「一メートル位のものもありますね」
「日本第一の大社だけあって」
 それでというのです。
「凄いですね、ですがタキタロウは鯉とはです」
「とても思えないですね」
「鯉は頑健であらゆる河川湖沼に適応出来ますし」
「大きさもかなりですが」
「伝え聞くタキタロウとは違いますね」
「どう考えましても」
「そうです、タキタロウとはです」
 まさにというのです。
「違います」
「そうですね」
「ソウギョもないですが鯉もないですね」
「やはりタキタロウはイワナかマスですね」
「そちらですね」
「そう思います」
 こう言うのでした、先生も。
「本当に」
「そうですね、問題はどちらかですね」
「イワナかマスか」
「そのどちらか」
「それが問題ですね」
「そう思います」
 実際にというのです、こうお話してです。
 先生は昼食を楽しみました、野菜炒めもスープもお握りもとても美味しくて先生は満足しました。そして午後も船で湖の調査をしますが。
 三時にはティータイムを欠かしません、今日のセットはクッキーにバウンドケーキにドライフルーツです。
 そうしたものを食べてミルクティーを飲んでいる先生にです、一緒に楽しんでいる動物の皆が言いました。
「何ていうかね」
「お昼のお話は流石先生だね」
「本当にね」
「僕達もお話を聞いていて思ったよ」
「そうね」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「流石先生と思ったよ」
「ただタキタロウが実際にどんなお魚か」
「そこまではまだだね」
「先生もわからないんだね」
「うん、何しろ実際に見てね」 
 この目でとです、先生は温かいミルクティーを飲みつつ答えました。 
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