兄のコーディネイト

　　　　　　　　　　　　　　　兄のコーディネイト
　飛鳥北斗は通っている高校の同級生を見てはいつも心の中で溜息をついた、そして家でもよく学校のそのことを思い出した。
　その彼女を見てだ、兄の大学生のアルバイトでデザイナーのアシスタントをしている南太郎は彼女に尋ねた。黒髪をかなり短いショートにして黒めがちの切れ長の大きな長い睫毛を持つ目と小さな顔に高めの鼻、小さなピンクの唇を持つ一五〇位の背のボーイッシュな身体つきの妹に対してだ。
　南太郎は黒髪の上を伸ばし奇麗にセットし切れ長のきらきらとした目に高めの鼻に小さなピンクの唇と妹と同じ形の頭を持つすらりとした一八〇以上の長身の持ち主だ、兄は父親似で妹は母親似であった。
「どうしました？」
「いや、クラスの女の子達皆奇麗だなってね」
　北斗は南太郎に少し苦笑いになって答えた。
「思ってね」
「容姿へのコンプレックスですね」
「そうなるかしら」
「では問題の解決は簡単です」
　南太郎は妹から聞いて笑顔で言った。
「容姿は改善出来ますので」
「出来るの？」
「はい、まずはファッションですね」
　兄は妹にここから話した、見れば兄は顔立ちや髪型だけでなくファッションも奇麗にセットされている。
「制服でもです」
「ファッションがあるの」
「貴女は小柄ですが」
「それコンプレックスだけれど」
「その小柄さを活かすのです」
「どうして？」
「制服のリボンを女の子らしい結び方にして」
　まずはそうしてというのだ。
「スカートは短く、そしてブラウスは白かピンクを」
「白だけれど」
「なら白でﾍｱﾋﾟﾝを付けて色はピンクに」
「そうしたらいいの」
「そうです、白とピンクで可愛らしさを出し」
　そうしてというのだ。
「そのうえで校則が許すなら」
「それならなの」
「アクセサリーを付けますが」
「ヘアピンだけじゃなくて」
「出来ればヘアピンはキャラクターものにして」
　言い加えもした。
「可愛らしさを出してアクセサリーの色も」
「ピンク？」
「そうです、小柄で可愛らしいなら」　
　そうした外見ならというのだ。
「白やピンクです、また靴下や下着も」
「そうした色なの」
「可愛いデザインを、そして普段の服装も」
「白とかピンクの可愛い？」
「ミニスカートや半ズボンでハイソックスを履いて」
　靴下はそれでというのだ。
「絶対領域を作ります」
「絶対領域なの」
「ミニスカートや半ズボンとハイソックスの間の」
「それを作るの」
「そしてメイクは北斗さんの場合は薄くして」
　その様なものにしてというのだ。