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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その三十四

 だがそれ以上にとだ、アッディーンは話した。
「いざという時はな」
「多少乱暴でも」
「攻撃によりエネルギーを消耗しても」
「それでもですね」
「そのポイントを攻撃してだ」 
 機雷原、それをというのだ。
「機雷達を吹き飛ばす方法もあるしだ」
「サハラではですね」
 ラシークが応えた。
「むしろ」
「その方が多いな」
「戦場では」
「掃海艇は除去に費用がかからずだ」
「確実に行ってくれますが」
「しかしだ」
「掃海艇は戦闘用ではないので」
「前線での除去はだ」
 機雷のそれはというのだ。
「向いていない」
「だからですね」
「まずはだ」
 何といってもというのだ。
「戦場ではな」
「機雷原は機雷原自体に攻撃を仕掛けて吹き飛ばす」
「機雷をまとめてな」
「そうしていますし」
「我々もだ」
 オムダーマン軍もというのだ。
「そうしている」
「そしてこの度も」
「そうする」
「多くの機雷原があろうとも」
「まさか艦艇を進ませる筈もない」
 アッディーンはこうも言った。
「それではだ」
「本末転倒ですね」
「地雷原に歩兵を進ませる除去方法があった」
 その彼等に地雷を踏ませてだ。
「実際にな」
「ソ連軍ですね」
「これはあった」
「本末転倒ですが」
 ラシークはソ連軍の地雷の除去方法について眉を顰めさせて述べた。
「軍勢に犠牲、損害が出ない為にです」
「地雷を撤去するな」
「そうするものですが」
「しかしだ」
「ソ連軍は、ですか」
「懲罰大隊を進ませてな」
「犯罪者達から構成される」
 それだとだ、ラシークも彼等のことは知っていて話した。
「冤罪も多いという」
「共産党に反抗的とみなされたりな」
「もう誰でもですね」
「なる可能性があった」
「確か当時刑務所を置く余裕もなかったこともあり」
 ソ連の全力を戦争に注ぎ込んでいた、こうなっては刑務所の施設や運営に割く余力もなくなっていたのだ。
「それで、でしたね」
「懲罰大隊をもうけてな」
「犯罪者を入れていましたね」
「そしてだ」
「その懲罰大隊をですね」
「地雷原を進ませてだ」
 そのうえでというのだ。
「地雷を撤去させていた」
「彼等が地雷を踏み」
「それで撤去にしていた」
「死のうが構わなかったのですね」
「そうだった」
「そして退けば」
 その時はというと。 
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