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八条学園騒動記

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第六百八十二話 マイナー国家の中のマイナー国家としてその一

                マイナー国家の中のマイナー国家として
 トムは自分のクラスでカナダについて聞いてみた、すると。
 誰もがだ、こう言った。
「メイプルシロップ?」
「自然が豊か?」
「実は結構凄い」
「そんな国?」
「所有している星系も多くて」
「首都はオタワ星系」
「未確認動物も多い」
 こう言う、だが。
 他のことはどうにもだった、それでだった。
 家に帰ってだ、メアリーとシッドに苦い顔で話した。
「やっぱりこれといってね」
「カナダは知名度が低いのね」
「知られていることがないんだね」
「うん、メイプルシロップは出て」
 そうしてというのだ。
「未確認動物は言われたけれど」
「未確認動物なんて連合それこそ星の数だけいるよ」
 シッドは冷めた目で述べた。
「掛け算でね」
「要するにいるかどうかはっきりしていない生きものだからね」
「それじゃあね」
「もうだね」
「それぞれの国に数えきれないだけいるよ」
「カナダだけじゃないんだね」
「確かにカナダの未確認動物多いけれど」
 シッドもこのことはわかっている。
「けれどね」
「それだけじゃないね」
「うん、というかその未確認動物の多さをね」
 このことをというのだ。
「宣伝してカナダの知名度を上げる」
「そうすべきだね」
「アメリカなんか未確認動物がいたら」
 それならばというのだ。
「創作の題材にしたり出るっていう地域を観光名所にするね」
「あの国はそうだね」
「中国だってね、人を襲う生きものでも」
 そう言われている未確認動物でもというのだ。
「見られるかもってね」
「観光名所にするね」
「あの国もね」
「ロシアはそこまでしないけれど」
「結構言うよね」
「寒冷地ばかりの国でも」
「ちゃんといるからね、未確認動物」
 別にジャングルや森や湖にいるだけではないのだ、それぞれの場所に生きものがいる。未確認動物も然りなのだ。
「海にだってね」
「それで言ってるね」
「我が国は発見されて」
「有名になっても」
「特に宣伝もしないで」
 そうしてというのだ。
「創作の題材にもしないで」
「観光にもしない」
「だからね」
「そこが駄目だね」
「弱いよ」
 どうにもという口調での言葉だった。
「我が国は」
「こうしたことについても」
「だから宣伝をしないと駄目なのよ」
 メアリーはまた言った。
「未確認動物も自然よ」
「その中にあるんだね」
「そうよ」
 まさにというのだ。 
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