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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その三十

「それでもだ」
「殆どないですか」
「その可能性はな」
「連合の性質故ですね」
「あの国は自分達の中でだ」
 全てその中でというのだ。
「終わっている」
「はじまって」
「連合自体が一つの経済圏でありだ」
「世界ですか」
「そうだ、そうした国でだ」
「攻め込んで何かを得るよりも」
「自分達の中でな」
 即ち連合の中でというのだ。
「内政、開拓や開発でな」
「生み出してですね」
「それを得る、何もかもがあの国ではな」
「禅僧をせずともですね」
「多くのものが手に入る」
 新たな星を開拓、開発しそこに移住して資源を手に入れ産業を興す。そうしていればいいからだというのだ。
「戦争にはリスクが伴うが」
「敗北という」
「だが内政ではな」
「そのリクスも得ず」
「戦争という消耗もない」
「命に資源という」
「多くの金も失う」
 戦争をすればというのだ。
「そうなるがだ」
「それでもですね」
「内政で手に入れるならな」
「リクスなく手に入る」
「そうした国だからだ」
「サハラにはですね」
「攻め込まない、まして連合から見るとだ」
 今度は彼等の立場に立って考えて話した。
「サハラはあまりにも貧しい」
「あるところからないところに攻め込む」
「そうしたことはないな」
「はい、得るべきものはない」
「そうしたものだからな」
「連合は、ですね」
「サハラにはまず来ない」
 それこそというのだ。
「エウロパ以上にな」
「そういうものですね」
「この国は連合から見れば軍事力はあるが」
「それだけですね」
「実に貧しい国だ、私は連合を見たが」
 連合の話をさらにした。
「非常にだ」
「豊かな国でしたね」
「比べものにならない」
 それこそというのだ。
「数百年の違いというが」
「その言葉はですね」
「事実だ」
 まさにというのだ。
「そのことがわかるまでにな」
「連合は豊かですか」
「スラム街も見たが」
 連合の中のだ。
「立派なマンションに多くの洗濯ものが干されていてだ」
「暮らしもですね」
「サハラの上級階級よりもだ」
 むしろというのだ。
「豊かな暮らしをしている」
「スラム街の住人ですら」
「そうだ、質のいい下着を多く干してあった」 
 スラム街の者達ですらというのだ。 
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