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レーヴァティン

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第二百七十八話 神との戦いその二

 蛸に非常に酷似したドス黒い色の頭と膝から角が出たおぞましいまでに伸びて曲がった爪を生やした二十メートル近い人の身体を持つ何かがいた、服は着ていない。
 その何かを見てだ、英雄は言った。
「クトゥルフか」
「如何にも」 
 その何かが答えてきた。
「私がな」
「やはりそうか」
「全てを知っているな」
「だからこそ来た」
 地の底からそれでいて頭の中に直接語り掛けてくる様な声で言ってきた。
「俺達はここまでな」
「わかった、ではだ」
「はじめていいな」
「来い」
 クトゥルフは一言で言ってきた。
「何時でもな」
「ならそうさせてもらう」
「行くぜ」
 久志も言った、神を見上げつつ。
「今からな」
「そうだな、その為にここまで来た」
 英雄も応えた。
「それならな」
「ここでな」
「戦う、これでだ」
「俺達の長い戦いもな」
「一つの終点に達する」
「ああ、その為にも」
「行くぞ」 
 こう話してだった。
 二十六人の異なる世界から来た者達はクトゥルフとの戦いに入った、まずは皆攻撃や防御の補助の術を唱え。
 双方を強化した、そうして。
 今度はクトゥルフに目晦ましや攪乱の術を使った、クトゥルフはそれを受けて言った。
「成程、我を少しでもか」
「うん、弱めてね」
 淳二はそうした術を続けて唱えつつ答えた。
「有利に戦うつもりだよ」
「そういうことだな」
「だからね」
 それが為にというのだ。
「今こうした術を使っているんだ」
「そうだな、どうやらだ」
「どうやら?」
「成るな」 
 クトゥルフは面白そうに述べた。
「これは」
「?どういうことかな」
「我に勝てばわかる」
 クトゥルフは己の眼下で素早く動きつつ術を放つ淳二に述べた。
「その時にな」
「そうなんだ」
「そして我はやられるばかりではない」
 クトゥルフはこうも言った、そして。
 洪水を起こしてきた、それで英雄達に凄まじい攻撃を浴びせた。その攻撃は並の者達ならそれで流されて息絶えていたが。
 誰もが立っていた、クトゥルフはそれを見て言った。
「ふむ、今のもか」
「かなりの一撃だったでござるが」
 智は洪水が終わった後も仁王立ちして応えた。
「しかしでござる」
「それでもか」
「拙者達にも意地があるでござる」
 その手に自身の神具の一つ正宗を持ちつつ話した。
「この程度ではでござる」
「死にはしないか」
「左様、必ずでござる」
「我を倒すか」
「そうするでござる」
「ならそうしてみよ」
 クトゥルフは今度はだった。
 渦潮を起こしそれを英雄達にぶつけた、それに収まらず。 
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