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夢幻水滸伝

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第二百七十話 晴れた時にはその十一

「その人は」
「そや、あの人は戦争中や」
 王は紅美に話した。
「あの頃は日本も食べるもんがなくてな」
「栄養失調でか」
「それで7持病やった水虫が悪化してな」
「足を切らなあかんてか」
「そうした話になってたんや」
「そやったんやね」
「僕も日本ではじめて知った」
 王にしてもだった。
「水虫も悪化するとや」
「足切らなあかんねんね」
「栄養失調が重なったら特にそうなるってな」
「それ覚えとかなあかんな」
「そうやなくてもよおない」
 水虫にかかること自体がというのだ。
「衛生的にな」
「そやからやな」
「出来る限りならん様にな」
 そもそもブーツや革靴といった通気性の悪い靴を履いているだけでなってしまう可能性がある、だから軍人の人達に多いのだ。
「すべきでな」
「濡れん様にすることもやな」
「大事や」
「それでええ靴もやな」
「大事や、まあ裸足や草履やとな」
 この場合もだ、王は話した。
「風がいつも当たって乾燥してる」
「普段から出ててな」
「ならんが」
「それやと危ないからな」
「普通に歩いてもな」
「危ない」
 どうしてもというのだ。
「剥き出しやと石が当たったり踏まれるとな」
「それだけで怪我するわ」
「そやから靴の方がええ」
「そやな」
「まして戦場やと」
 こうした場ではというのだ。
「尚更や」
「怪我が心配や」
「そやからしっかりした守りの靴やないとな」
 それを履かないと、というのだ。
「あかん」
「そういうことやな」
「そや、それでや」
「ブーツみたいな靴でな」
「足も守ってるんや」
「そういうことやな」
「僕等も履いてるし」
 見ればそうしている、司令官である星の者達も。
「これでええ、ほなな」
「足を守りつつな」
「戦っていこな」
「そうしよな、それにええ靴やとこの大雨で」
「川みたいになってもな」
「万全やないがましや」
 普通に歩くよりもというのだ。
「そのましになる分もや」
「大きいな」
「そや、この中で戦ってくで」
 こう言ってだった。 
 王も戦い紅美もそうした、戦は続いていた。
 戦は二日目が終わり三日目となったがこの日も大雨だった、これに将兵達も流石に疲れが見えてきていた。
 それでだ、羅も言った。
「今日か明日か」
「限界が来るのは」
「それ以上はな」
 残に対して話した。 
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