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夢幻水滸伝

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第二百七十話 晴れた時にはその九

「そこで負けるさかいな」
「厄介やな」
「ほんまにな」 
 こうした話もして一騎打ちもしていった、そしてだった。
 戦の中でも食事は摂った、羅は施との一騎打ちを中断して昼食を摂ったが脂が多めの熱いラーメンを食べてだった。
 そうしてだ、彼は共に戦う仲間達に話した。
「雨水で冷えるさかいな」
「こうして熱いものを食べることですね」 
 陳が応えた、仲間達も同じものを食べている。
「やはり」
「そや、こうした麺も食べてな」
「栄養を摂り」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「あったまるんや」
「そうすることですね」
「当然具もな」
 麺の上には野菜や淡水魚に羊肉がある、どれもしっかり火を通している。
「殆ど残さずや」
「食べることですね」
「そや、ただな」
「はい、一片残す」
「そうすることはな」
「忘れはあきませんね」
「最近変わってきたけどな」
 羅は麺を勢いよくすすりながら話した。
「やっぱりな」
「食事は最後は少しだけ残す」
「それは礼儀やからな」
「そうですね」
「中国のな」
 このことをここで言うのだった。
「そやからな」
「戦場でも礼儀は守らんとな」
 魯も言った。
「やっぱりな」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「そこはちゃんと守ってな」
「残すことやな」
「おかわりはしてもな」
 それでもというのだ。
「最後はな」
「少しだけ残すことやな」
「そや」
 まさにというのだ。
「ちゃんとな」
「将兵達もそうさせるな」
「勿論な、過酷な戦の場でも礼儀は守る」
「それ位の余裕が欲しいな」
「むしろそれ位の余裕がないとな」
 さもないと、というのだ。
「あかんわ」
「そうです、脇目を振らず必死にやるとしても」
 それでもとだ、巴も言ってきた。
「それ位の余裕がなければ周りが見えず」
「そこに隙が出来てな」
「負けますね」
「そうなるわ」
 羅は巴にも話した、皆麺を勢いよく食べておかわりもしている。そうして腹を満たし身体を温めてもいる。
「そやからあえてな」
「礼儀もですね」
「守らせる、ちゃんとした軍はな」
「そうしたことも行っていて」
「そして強い」 
 礼儀を守る軍の方がというのだ。
「礼儀も何もない軍はな」
「弱いですね」
「歴史を見てもな」
「略奪暴行ばかりして」
「訓練も碌にせんでな」
「挙句は自分達の武器まで横流しして」
「もう戦える軍やない」
 こう言うのだった。 
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