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X ーthe another storyー

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第二話 来訪その二十

「その為です」
「そうなのですね」
「ですから」 
 それでというのだ。
「あの様です、ですが」
「本質はですね」
「変わってはいません」
 そうだというのだ。
「全く」
「そうですね」
「心優しく人の道を踏み外してはいない」
「まさに子供の頃のです」
「神威ですね」
「そのままです」
 まさにというのだ。
「わしもそう見ています」
「左様です、だからですか」
「封真も小鳥もそのままなので」
「子供の頃から」
「必ずです」
 丁に微笑んで話した。
「あの三人はです」
「共にですか」
「生きていけます」
「そうなればいいですが」
「必ずなります」 
 また丁に話した。
「安心して下さい」
「そのお言葉信じたいです」
 丁は頭を垂れて述べた。
「わらわも」
「そう言ってくれますか」
「信じられませんが」
「信じてくれとは言いません」
 鏡護はそれは否定した。
「運命は無数にあり」
「そのどれに行き着くかですね」
「はっきりとは言えないのですから」
 それ故にというのだ。
「やはりです」
「わらわが信じられずとも」
「当然です、ですから」
「これからの運命の流れをですね」
「ご覧になって下さい」
「わらわの為すべきことを為しながら」
「そうしてくれますか」
 こう丁に話した。
「ここは」
「はい、では」
「またですね」
「お伺いします」
 またしても目を閉じてそうしてだった。
 丁は鏡護の前から姿を消した、鏡護もそれを見届けてそのうえで深い眠りの世界に入った。その顔は澄んだものだった。


第二話   完


                   2022・11・1 
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