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夢幻水滸伝

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第二百六十八話 血流の如くその十四

「いささか、そやけどな」
「そこを敢えて採用しましたね」
「それだけや」
「重要な技術ですね」
「瓶詰めでもよかったが」
 缶詰の前身である、元々ナポレオンが戦場での保存食を募集しその中で生み出されたものである。画期的なものであった。
「しかしな」
「缶詰の方が頑丈ですからね」
「ガラスと鉄やったらな」
「だからですね」
「敢えてな」
「缶詰を採り入れられましたね」
「そうしたんや」
 白澤に確かな声で話した。
「自分もな」
「今は主に軍に普及していますが」
「それをや」
 やがてはというのだ。
「今言った通りにな」
「民にもですね」
「普及させてな」
 その様にしてというのだ。
「誰もがや」
「食べられる様にするで」
「それでは」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「この世界起きた世界と全くちゃうが」
 このことについても言うのだった。
「特にな」
「とりわけですか」
「ああ、産業革命が欧州で起こってへんな」
「そのことがですか」
「最初驚いたわ」
「そうでしたか」
「イギリスで起こって」
 起きた世界ではというのだ。
「そこからや」
「欧州全体に及んだのですね」
「フランスやドイツでもとなって」
 そうしてというのだ。
「その後でアメリカ、日本ってな」
「及んでいったのですね」
「他の地域はもっと後やった」
 産業革命の技術が及んだことはというのだ。
「ほんまにな」
「それがですか」
「この世界ではや」
「この中国にも及んでいます」
「それで欧州ではな」
 自分達が起きた世界では産業革命が起こったこの地域ではというのだ、施は深く考える顔になって話した。
「こっちの世界ではまだやな」
「はい、まだ火薬もです」
「ようやくといった感じやな」
「中世と言っていい状況です」
「そうやな」
「それであちらの星の方々はです」
 欧州の彼等はというと。
「非常にです」
「技術の方でも苦労してるらしいな」
「その発展と普及に」
「そうらしいな」
「そう思えばですね」
「自分等はかなり恵まれてる」 
 施は言い切った。
「そしてその恵まれてることもな」
「大いに活かしていきますね」
「この戦の後もな」 
 白澤に話した、そのうえで自分の天幕に戻って暫し休むのだった。 
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