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夢幻水滸伝

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第二百六十七話 徐州に向けてその八

「真ん中にあった方がええやろ」
「それも大運河の便もええ」
「それと共に海の利益も得られたら」
 莫にこうも述べた。
「それやろな」
「ええですか」
「そう考えた、今な」
「そうなのですか」
「ああ、都のことも考えていくか」
「起きた世界の中国では今は首都は北京ですが」
 莫はそちらの世界のことを話した。
「かつては色々な街がなっていますね」
「王朝によって違ったな」
「長安つまり西安もですし」
 前漢それに隋、唐の都であった。
「洛陽もでした」
「後漢、魏、晋やな」
「かっては関中に中国の中心があり」 
 このことは秦が中国を統一したことが大きい、この国の中心がそこにあったからだ。秦の都は咸陽であった。
「そこから長い間です」
「都があったな」
「そうでした」
「西安や洛陽もええけどな」
「大運河や海からはですね」
「両方の便を同時にとはいかん、あと海の便はな」
 こちらのことをだ、羅はあらためて話した。
「港やなくてもええ、河口から船を使ってな」
「その街まで行く」
「即ち大運河からの船も海からの船もな」
「両方来る街ですか」
「それで中国の中心にあってな」
 この条件を満たしてというのだ。
「しかも守りがよかったらな」
「尚ええですか」
「そや」
 莫に彼の顔を見つつ答えた。
「そう考えてる」
「都のことも大事ですからね」
 郁もそれはと答えた。
「場所も」
「それはどの国もやろ」
「交通や産業の中心になるので」
「それだけでな」
「それはこの世界でも同じです」
「辺鄙なところに置くとかな」
 その様にすることはというのだ。
「ちょっとな」
「あまりですね」
「出来んからな」 
 だからだというのだ。
「考えてや」
「置きますね」
「勿論北京と上海は統一してからも重要都市や」
 中国におけるそれだというのだ。
「このことはな」
「変わらへんですね」
「そや、副都でもええしな」
「起きた世界でも我が国の伝統ですね」
「都が幾つもあることはな」
「皇帝がいる帝都だけでなく」
「それ以外の街も都や」
 例えば唐は洛陽が副都であった、魏は洛陽を帝都とし長安等四つの街を都として五つの都を持っていた。
「国が広いからな」
「そうしてきましたね」
「そやからな」
 起きた世界でそうであるからだというのだ。
「別にな」
「都は一つとは限らへんですね」
「幾つかあってもな」 
 それでもというのだ。 
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