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ドリトル先生とタキタロウ

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第三幕その九

「その中で木材が大量に必要だと思われてね」
「何かと木って使うからね」
「本当にね」
「もうそれこそね」
「使わないってことないからね」
「木材は」
「だから日本中で植林する時にね」
 まさにその時にというのです。
「杉の木を植えたんだ」
「本当に日本中に植えて」
「至るところ杉の木だらけ」
「そうなったのね」
「日本は」
「けれど海外の木材の方が安く沢山手に入れられる様になって」
 そうなってというのです。
「日本の木はそのままになって」
「そうしてだね」
「杉の花粉が春先に沢山出る様になって」
「そのうえでなのね」
「今花粉症が問題になっているんだ」
「そうなんだ」
 まさにそうなったというのです。
「日本は山が多い国で」
「その山は殆ど全部木が植えられているわ」
「もう山が連なる限り」
「禿山って日本殆どないよ」
「そしてその木は」
「杉が多いね、それだけにね」
 まさにそのせいでというのです。
「花粉症もだよ」
「問題になってるね」
「杉の木を使おうとしたらそのままになって」
「そのせいで」
「それで今大変になっているよ」
 日本ではというのです。
「杉の木も確かに必要だけれど」
「多過ぎるとね」
「それはそれで問題だね」
「そうなるわね」
「そうなんだ、ただ日本人は本当に植林に熱心で」
 このこともお話する先生でした。
「日本本土だけじゃなくて台湾でも朝鮮半島でもだったよ」
「そうそう、昔は台湾も朝鮮半島も日本だったよ」
「第二次世界大戦が終わるまでは」
「それで統治していて」
「植林もしていたのね」
「植林をすると山の土砂崩れも防げて木材も確保出来てね」
 そうしたいいことがあってというのです。
「そこに沢山の生きものが住んで生態系も豊かになるからね」
「いいんだよね」
「植林は」
「そうだよね」
「そうだよ」
 先生は学者さんとして答えました。
「だから植林はいいことでね」
「日本人は昔から熱心で」
「日本本土に大々的にそうして」
「花粉症のことは残念でも」
「それで台湾や朝鮮半島でもそうしたのね」
「そうなんだ、そして朝鮮半島ではね」
 こちらではといいますと。
「合せて六億本もだよ」
「そんなに植林したの」
「六億本も」
「そうしたのね」
「そうだよ、当時あちらは禿山がとても多かったけれど」
 それでもというのです。
「道路や堤防、ダムを築いて学校を建てて」
「植林もした」
「随分丁寧な統治をしたのね」
「日本は」
「そうだよ、近代法や土地制度も導入したしね」
 そうしたこともしたというのです。 
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