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ドリトル先生とタキタロウ

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第三幕その二

「仙台のね」
「それも学問だよね」
「湖の水質や生きものや周りの地質や植物のことを調べて」
「そして歴史も学ぶ」
「どれも学問だから」
「今日はだね」
「仙台で学ぼうね」
 この街の歴史をというのです。
「そうしようね、そして仙台といえばね」
「やっぱり伊達政宗さんだよね」
「この人抜きで仙台は語れないわね」
「もう仙台と言えば政宗さん」
「そうよね」
「そう、だからね」 
 まさにそうだからだというのです。
「仙台城に行ってね」
「伊達政宗さんのことを学んで」
「仙台の歴史も学ぶ」
「そうするのね」
「うん、そうしようね」
 こう言って水族館のスタッフの人達と一緒にです。
 先生は動物の皆を連れて仙台城に行きました、そしてそこで皆で伊達政宗さんの銅像を観ました。するとです。
 動物の皆は馬に乗り具足姿の政宗さんを観て口々に言いました。
「恰好いいよね」
「そうだよね」
「独眼竜って言うけれど」
「眼帯まで恰好いいね」
「実にね」
「そう、政宗さんは右目が見えなくてね」 
 先生は政宗さんのその目のお話をしました。
「そのことでも有名なんだ」
「実際に片目だったんだね、政宗さんって」
 チーチーは銅像を観つつ言いました。
「よく言われている通りに」
「柳生十兵衛さんとそこが違うわね」
 ダブダブはこの人のことを思い出しました。
「あの人実は両目共見えていたそうだから」
「時代劇だと隻眼だけれどね」
 ジップも言います。
「あの人は」
「それが実は両目見えていて」
「あれは創作のことだったのよね」
 チープサイドの家族もお話しました。
「隻眼じゃなかったのよね」
「あの人は」
「創作と史実は違っていたりするけれど」
 トートーも言いました。
「政宗さんは本当に隻眼だったんだね」
「片目だと何かと大変だっただろうね」
 ガブガブは政宗さんのこの苦労のことを思いました。
「お母さんにもそれで嫌われたそうだし」
「片目だからどうしたのって私達は思うけれど」
 ポリネシアは自分達の考えをお話しました。
「政宗さんのお母さんは違ったのよね」
「それで家督を弟さんにとかいうお話も出てね」
「大変だったんだよね」
 オシツオサレツは政宗さんのこのことを言いました。
「お家騒動ってよくあるけれど」
「政宗さんにもあったんだね」
「恰好いいイメージが強いけれど」
 老馬は政宗さんの銅像を少し悲しい目になって見て言いました。
「大変なこともあったんだね」
「そうだよ、政宗さんはお家騒動もあったしね」
 先生も皆に政宗さんのお話をします。
「幼い頃に天然痘に罹ってね」
「それで右目が見えなくなったんだよね」
「最初は見えていたんだよね」
「それがあの病気に罹ってしまって」
「そうなったのよね」
「そうだよ、天然痘は今はないけれどね」
 根絶された病気だというのです。 
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