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機動6課副部隊長の憂鬱な日々

作者:hyuki
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第36話:潜入作戦前夜


5人で揃ってなのはとヴィータのところに戻ると,
なのはが声をかけてきた。

「みんなお疲れさま。ゲオルグくんに勝つなんて,よく頑張ったね」

「「「「ありがとうございます」」」」

「ゲオルグくんもお疲れ様」

「・・・疲れたねさすがに」

「じゃあ,これで今日の訓練は終了!」

「「「「ありがとうございました!」」」」

並んで隊舎の方に向かっていく4人を見送ると,なのはに話しかけた。

「さすがにリミッタ付きだとキツいな。
 ちゃんとコンビネーションもとれてるし。強くなってんじゃん」

「でしょ?」

なのはは胸を張るようにしてそう言った。

「でも,ゲオルグはステルス禁止だったしな。
 あれを使われたら,あいつらもまだ勝てねーだろ」
 
「ヴィータちゃん。あれはね,反則っていうんだよ」

その時,俺の腹がグーっと鳴った。

「・・・腹減った」

俺がそう言うと,なのはとヴィータが大笑いした。



シャワーを浴びて,3人で夕食を食べに食堂に行くと,
フォワード4人もちょうど,夕食を食べ始めたところだった。
俺たちが,4人のところに行くとスバルが声をかけてきた。

「あ,ゲオルグさん,なのはさん,ヴィータ副隊長!一緒に食べましょうよ!」

「いいのか?」

「もちろんですよ,ね?キャロ」

「うん!エリオくん」

「私もいいですよ」

俺が確認すると,3人とも快諾してくれたので,
俺たちは一緒に食べることにした。

大体全員が食べ終わったところで,スバルが話し始めた。

「ゲオルグさん,やっぱり強いですね」

「そうか? 俺結局負けたじゃん」

俺がそう言うと全員が首を横に振っていた。

「強いですよ。結局3人はゲオルグさんにやられちゃったし」

「希少技能は使わなかったみたいだし」

「しかも,能力リミッターがかかってるんですよね」

「私,何もさせてもらえませんでした・・・」

4人が口々に言うので,俺はちょっと圧されていた。

「みんなはゲオルグくんとの模擬戦は初めてだったよね。どう?感想は」

なのはが尋ねると,フォワード4人は少し考え込んでいた。

「私は,前にやった鬼ごっこの時も思ったんですけど,
 ゲオルグさんって,きちんと戦術を組み立てて戦うんで,
 ものすごく勉強になりました
 ひょっとするとなのはさんよりも戦いにくいかもしれませんね」

ティアナがそう言うと,スバルが続いた。

「そうそう,私は今回も罠にはまってやられちゃったし」

「でも,力技もつかえるのよね。
 私はきちんと計算して張った罠に思惑通り乗ってくれたのに,
 魔力弾を切り裂かれて,砲撃で打ち抜かれちゃったし」

ティアナがそう言うと,エリオが続く。

「僕がすごいと思ったのは,反応の速さですね。
 僕の最後の一撃は完全に裏をかいたと思ってたんですけど,
 きっちりシールド張られたし,シールドを破ったあとも
 体をひねってかわそうとしてましたよね。あれは凄いと思いました」

「キャロはどうだった?」

なのはに聞かれてキャロはうつむいてしまった。

「私は・・・攻撃しようとしたら,逆に撃ち落とされちゃいましたから。
 びっくりしたとしか・・・」

「だ,そうだけど。ゲオルグくんは?」

なのはが俺に話を振ってきたので,俺は一言だけ言うことにした。

「みんなの成長の速さにびっくりです。まさか本気を出すことになるとは
 思いませんでした。以上」
 
俺がそう言うと,ヴィータがうんうんと頷いていた。

「だな。あの動きは完全に本気だったよな。
 どさくさ紛れにサーチャーばらまくし」
 
ヴィータがそう言うと,4人ともえっ,という顔になった。

「サーチャーなんていつまいたんですか?」

「最初にティアナに攻撃した時だよ。だから,それ以降のみんなの動きは
 バッチリ見てたよ。あ,でもティアナの幻影には完全に騙されたし,
 エリオの後ろからの奇襲も直前まで気づかなかったなぁ」

俺がティアナの質問にそう答えると,キャロとスバルは
がっくりと肩を落とした。

「それで,あんなにタイミングよく砲撃が・・・」

「どうりでバインドにかかったあとの動きが早いと思った・・・」

「ま,ゲオルグくん並みに性格が悪い魔導師と戦う機会もなかなかないから,
 みんなしっかり反省しておいてね」

なのはがそう言って締めくくった。

「ちょっと待て,なのは。性格悪いってなんだよ!」



副部隊長室に戻ると,シンクレアが自分の席に座っていた。

「お,戻ってたのか。お疲れさん」

俺はそういって自分の席に座ると,目を閉じて上をむいた。

「なんかお疲れっぽいですね,なんかあったんですか?」

「なのはに新人フォワードと模擬戦やらされたの」

「なのはって,あのエースオブエースですか?」

「らしいね。ま,俺にとったらただの友達だよ」

「うらやましい話ですね,あんな美人と友達なんて」

「じゃあ替わるか? もれなく砲撃付きだぞ」

「・・・遠慮しときます」

「賢明だね。で,どうなの首尾は?」

俺がそう聞くとシンクレアは笑みを浮かべていた。

「潜入経路については調査完了です」

「セキュリティーは?」

「レーザーと赤外線センサーですね」

「んじゃもういつでも行けるな」

「そうですね,いつにしますか?」

「明日だ。今からはやてに話をしに行くぞ」

「了解です」

そして俺とシンクレアは部隊長室に向かった。



「はやて,ちょっといいか」

俺は部隊長室に入るなり,はやてに声をかけた。

「ん?ゲオルグくんやんか。どないしたん」

はやては書類から顔を上げると,俺の方を見た。

「例の潜入作戦だけど,明日行ってくるから」

俺がそう言うと,はやては頭を抱えた。

「あのなあゲオルグくん。そういう大事なことはもうちょっと早めに言うてよ」

「しょうがないじゃん,さっき決めたんだし」

俺がそう言うとはやては大きくため息をついた。

「しゃあないな。ま,ゲオルグくんが決めたんやったら私には異論なし。
 ただ,くれぐれも慎重に頼むで。ゲオルグくんは6課にとって
 替えのきかん重要な人材なんやからね」

「わかってるよ。じゃあ,そういうことで」

「はいはい。ちなみにいつ頃戻ってくるん?」

「順調に行けば明後日の夜には戻ってくるよ」

「了解。シンクレアくんも気をつけてな」

「はい。わかってます」

そうして,俺とシンクレアは部隊長室をあとにした。



 
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