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霊能をする人は

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第二章

「これは」
「参ったな、どうしようか」
「住職さんに来てもらう?」
 こう夫に提案した。
「三丁目の」
「ああ、あの人にか」
「そうする?」
「そうだな、噂は聞いてるしな」
「それじゃあね」
「三丁目の住職さんってあのお爺さんのお坊さん?」
 美穂は両親の話を聞いて言った。
「物凄く優しそうな」
「そうだ、あの人法力が凄くてな」
「悪い幽霊に凄く強いのよ」
「だからな」
「今回は祓ってもらうわ」
「そうだったの」 
 美穂は両親の言葉を聞いてまさかあの人がと思った、そのうえで。
 家に来た住職が家の中で曼荼羅をかけてお経を唱えるのを見た、するとそれで忽ちのうちにであった。
 それまでのラップ音は全くなくなりポルターガイスト現象もなくなった、美穂はそれを見て言った。
「本物の霊能力者の人もいるのね」
「そうなのよ、だから幽霊は本当にいるって言ったでしょ」
「人間との違いは身体があるかないかだけで」
「それで悪い人もいればね」
「悪い幽霊もいるのね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「世の中はね」
「それで今回みたいなことがあって」
「お祓いしてもらうこともね」
「あるのね」
「だからよ」
 ここで母はこうも話した。
「ローマ=カトリック教会には公にね」
「キリスト教ね」
「エクソシストの人がいるのよ」
「幽霊が本当にいるから」
「悪い幽霊がね」
「映画だけのことじゃないのね」
 美穂はエクソシストと聞いて昔の映画のことを思い出した。
「そうなのね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「住職さんにお礼はしたけれど」 
 このことも話した。
「そんなにね」
「多くないの」
「法事とかよりも安い位だから」
「そうなの」
「常識の中のね」
 その範疇のというのだ。
「お金で済んだわ」
「そうなの」
「だからね」
 母はこうも言った。 
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