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黒人リーグ

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第一章

               黒人リーグ
 ジム=マッケンローは野球が好きで球場に足しげく通っている、それでこの日も仕事が終わって球場に行く準備をはじめたが。
 その彼に同じ工場で働いているポール=ジョンソンが尋ねた。背が高く青い目で四角い顔にはそばかすがあるくすんだ金髪の青年だ。二人共まだ二十歳だ。
「おい、今日も行くのか」
「ああ、野球好きだからな」 
 マッケンローはジョンソンに笑顔で答えた。
「だからな」
「観に行くんだな」
「そうさ、今日もいい試合を期待してるぜ」
「野球を観るのはいいことだけれどな」
 ジョンソンはマッケンローにどうかという顔で言った。
「けれど黒人リーグの方だよな、お前が観るのは」
「ああ。そうだよ」
 マッケンローはジョンソンにあっさりとした口調で答えた。
「俺が観るのはな」
「何で黒人リーグなんだ」
 ジョンソンはマッケンローに問うた。
「お前白人なのに」
「白人が黒人リーグの試合観たら駄目か?」
 マッケンローはジョンソンに問い返した、茶色の髪の毛をリーゼントにしていて目はグレーである。長方形の顔で顎の先が割れていて背はジョンソンより高い。体格はかなり逞しい。
「そんな法律あるか?」
「いや、ないけれどな」 
 ジョンソンもそれはないと答えた。
「別にな」
「だったらいいだろ」
「それでも球場周りは黒人ばかりだろ」
「黒人リーグだからな」 
 それでと返した。
「当然黒人が多いさ、審判も球場のスタッフもな」
「黒人ばかりだな」
「この前なんて球場の客で白人俺だけだったよ」 
 マッケンローは軽く笑って話した。
「見回したらな」
「そうだろうな、白人ならな」
「大リーグか」
「そっち観ればいいだろう」
「そっちもいいけれど俺はな」
「黒人リーグの方が好きか」
「これが凄い選手も多くてな」
 黒人リーグにはというのだ。
「いいプレイも多いぜ」
「それを観に行くんだな」
「そうさ、今日もな」
「まあお前が好きならいいけれどな」
「凄い選手が多いって聞いてたまたま試合観に行ったらな」 
 マッケンローは自分が黒人リーグに興味を持ったはじまりも話した。
「これがな」
「よかったんだな」
「それでだよ」
「観てるんだな」
「今もな、じゃあ行ってくるな」
 ジョンソンに笑顔で告げてだった。
 マッケンローはその足で球場に行った、そして外野席に座ると。
 周りの黒人達がだ、彼に笑って言ってきた。
「あんた今日も来たな」
「今日も試合観るんだな」
「そうするんだな」
「そうするよ、今日もナイスゲームも期待するよ」
 マッケンローは黒人達にも笑顔で応えた。
「是非な」
「ああ、今日はどんな試合になるか」
「今から楽しみだな」
「それで七回にはな」
「私を野球に連れてって歌おうな」
「あの歌も大好きだよ」
 マッケンローは野球ファンとして話した。
「本当にな」
「それは何よりだな、しかしあんたも変わってるな」
 馴染みの中年の黒人が言ってきた、見ればうっすらと髭を生やしている。 
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