| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

実母のものとそっくりなので

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第三章

 明星にだ、笑顔で話した。
「今から初詣行きましょう」
「お義母さん、その振袖は」
「ええ、明星ちゃんにこの前あげようとしたね」
「その振袖よね」
「お話は聞いたわ、お父さんから」
「そうなのね、悪気があるんじゃなくてね」
 明星は義母に申し訳なさそうに応えた。
「私にはお母さんから貰ったね」
「その振袖があるから」
「だから貰えなかったの」
「そうだったわね」
「ええ、けれどその振袖は」
「お義母さんが着て」
「それでね」
 そのうえでとだ、杏美は明星に話した。
「明星ちゃんはね」
「私は私の振袖を着て」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「一緒にね」
「初詣行くのね」
「そうしましょう」
「そうね、お揃いになるわね」
 明星は誘ってくれる明星に笑顔で応えた。
「お義母さんと」
「親子でね」
「そうね、じゃあ今からね」
「明星ちゃんもよね」
「振袖に着替えるわね」
「そうしてね」
「ええ、ただね」
 ここで明星は苦笑いでこうも言った。
「私一人で着られないのよ」
「着物は」
「そうなの」
「お義母さん出来るから」
「着付けしてくれるの」
「こうして一人でも着られるしね」 
 その振袖姿で話した。
「だからね」
「着せてくれるの」
「そうさせてもらうわ」
「じゃあお願い」
 明星は杏美に笑顔で応えた、そうしてだった。
 義母に着付けをしてもらってだった、共に振袖姿になり。
「じゃあお義母さん今からね」
「ええ、初詣行きましょう」 
 親子で笑顔で話してだった。
 その上で家を出た、留守番をしている夫そして父に見送られて。そのうえで行った初詣は実にいいものであった。


実母のものとそっくりなので   完


                   2022・12・26 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧