| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百七十四話 その時が来てその十一

「いい存在とはな」
「思えないな」
「到底な、例え死んでもな」
「餓鬼には生まれ変わりたくないな」
「絶対にな」
 それこそというのだ。
「そうな」
「強く思うな」
「思わない筈がないだろ」
 英雄にこう返した。
「餓鬼のことを知っているとな」
「その通りだな」
「ああ、餓鬼にはなるものじゃない」
 全くというのだ。
「本当にな」
「地獄よりも辛いかなら」
「しかもだ」
 英雄はさらに言った。
「生きている時もな」
「お前の親戚みたいにか」
「嫌われる」
「それもかなりだな」
「まるで害虫の様にだ」
 そのレベルでというのだ。
「忌み嫌われていたが」
「そこまで嫌われるんだな」
「それで幸せか」
 徹底的に嫌われてというのだ。
「常に隠れていても嫌悪の目で見られてな」
「陰口も言われてな」
「否定されてな」
 そうなってというのだ。
「果たして」
「言うまでもないよな」
「そうだな」
「ああ、幸せじゃないぜ」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうだからな」
「尚更だな」
「餓鬼になるものじゃない」
「その通りだな」
「そのこともな」
「今言うんだな」
「そうだ、ではな」 
 英雄はあらためて言った。
「俺達もな」
「ああ、そうした心構えもな」
「してだ」
 そのうえでというのだ。
「この世界でもだ」
「やっていくことだな」
「そうだ、そしてな」
「クトゥルフとの戦の準備のな」
「最後の詰めに入り」
 そうしてというのだ。
「いいな」
「ああ、それが整ったらな」
「戦うぞ」
「そうしような」
 英雄の言葉に頷いてだった。
 久志は彼そして二人の仲間達と共に戦の準備の最後の詰めも整えていった、その最後の時がまさに目前に迫っていた。


第二百七十四話   完


               2022・9・15 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧