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レーヴァティン

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第二百七十三話 全てを整えその一

                第二百七十三話  全てを整え
 英雄は東の浮島の軍勢の訓練を見て言った。
「日増しに強くなっているな」
「そうだな、西の軍勢もだが」
 共にいる正に応えた。
「こちらもな」
「強くなっているな」
「ああ、装備もな」
 これもといのだ。
「よくなっている」
「術も覚えてな」
「特技も備えていっている」
「そうだな」
「ああ、ミスリルやオリハルコンの武具もだ」
 そうしたものもというのだ。
「増えていっているな」
「そうだな、流石に数は少ないが」
 それでもとだ、正は話した。
「増えていることは事実だ」
「そうだな」
「そうした武具は将軍や特に強い者に渡しているが」
「レベルの高い者にな」
「それを装備出来る者が増えるとな」
 そうなればというのだ。
「それだけでだ」
「軍は強くなる」
「強力な装備が出来るからな」
「そうだね、まあ理想はね」
 淳二はここで英雄に言ってきた。
「全軍の将兵がね」
「そうした武具で武装することだな」
「そのミスリルやオリハルコンでね」
「そうなれば無敵だな」
 こうもだ、英雄は言った。
「まさに」
「そうだね、けれどね」
「流石にそれはな」
「難しいというか」
「不可能とな」
 その様にというのだ。
「思っていいな」
「東西合わせて百万の軍勢にね」
「ミスリルやオリハルコンの武具を装備させることはな」
 流石にというのだ。
「無理だ」
「そうだよね」
「そもそも資源が足りない」
 肝心のそれがというのだ。
「ミスリルもオリハルコンもな」
「どちらもね」
「レアメタルだ」
 まさにどちらもというのだ。
「だからな」
「そうそうはね」
「発掘されずな」
「武具も造られないよ」
「錬金術で造れるが」
 その奥義である賢者の石を用いてだ。
「肝心のその賢者の石は一つしかない」
「はい」
 それを持っている源三が言ってきた。
「確かに賢者の石を使えばです」
「ミスリルもオリハルコンも生み出せるな」
「ですが」
 それhその通りだがというのだ。
「一度に出せる数はです」
「限られているな」
「そうです、石を変えるにしても」
 石から発せられる光を浴びせてだ。
「その石の量だけなので」
「一度に多くはな」
「出せません、百万の軍勢全てに行き渡らせるだけの量は」
「到底な」
「生み出せません」
 こう英雄に答えた。 
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