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レーヴァティン

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第二百七十話 禍々しさを知りその八

「その場合か」
「そのことがわかったらね」
「右を攻めればいいな」
「ごく稀にそんな人もいるからね」
「現実にな」
「漫画でもあるしね」
「鳳凰拳か」
 久志はここでこの拳法の名前を出した。
「南の」
「聖帝だよ」
「あの人だな」
「最初の戦いで主人公はそのこと知らなかったね」
「心臓が逆にあるってな」
「身体の仕組み全体がね」
「秘孔の場所もな」
 そこを突けば倒せるがだ。
「それを知らなくてな」
「負けたな」
「けれど二度目の戦いで」
「それを見破ってな」
「勝ったね」
「そうだったな」
「若し最初に見破っていてね」
 剛は話した。
「それで戦っていたら」
「勝ってたな」
「そうだった筈だよ」
「そうなったな」
「その漫画は私も知っています」
 夕子もだった。
「有名な作品ですから」
「もう誰もが知ってる位にな」
「ですから。少年漫画はあまり読まないのですが」
「それでも知ってるか」
「はい」
 実際にというのだ。
「本当に有名なので」
「だから今もだな」
「お話に入られます、それであの主人公ですが」
「胸に七つの傷があるか」
「あの人は知らないことが多いですね」
「そういえばそんなんだよな」 
 作品を読んでいると、というのだ。久志はこの作品のことを思い出してそのうえで夕子の言葉に応えた。
「あの主人公な」
「確かに強いですが」
「知らないこと多過ぎてな」
「それで後れを取ったりしますね」
「その鳳凰拳の人と戦う時もな」
 この時もというのだ。
「そうだしな」
「知らないということは欠点であり」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「知ってるとだ」
「それだけで武器になります」
「そうなんだよな」
「ですから私達もです」
「今必死に知ろうとしてな」
「知ってっています」
「それでその知ったこと、知識がな」
 まさにそれがというのだ。
「クトゥルフに対するな」
「最大の武器ですね」
「まさにな」
「左様ですね」
「だからもう文献を読み漁って」
 今はというのだ。
「知識をな」
「備えていっていますね」
「ああ、本当にな」
「知識は最大の武器です」
「全くだよ」
 夕子にもこう言った。
「つくづく今な」
「実感していますね」
「これまで以上にな、相手を知ってな」
 久志はさらに言った。 
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