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星河の覇皇

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第八十二部第四章 破竹の進撃その五十七

「敗北につながりましたね」
「二度の世界大戦で」
「そうなりましたね」
「一次大戦でもそうで」
「そして二次大戦でも」
「その二度の世界大戦で我が国は思い知ったのです」
 中尉はまた述べた。
「敵を多く作る時点で失格です」
「全くですね」
「敵は少なくあるべき」
「まして大国であるなら」
「尚更ですね」
「我々は既に連合という敵を持っています」
 ここでエウロパ軍の士官達は無意識的に連合軍それも中央政府軍の艦艇がある方に顔をやった。そのうえでの話だった。
「あの国は紛れもない大国です」
「四兆の人口を持っています」
「国力は我々の六百倍」
「まさに巨獣です」
「我々を英雄としても」
 それでもというのだ。
「彼等はベヒーモスやリバイアサンの如きです」
「あまりにも巨大です」
「その大国と対するなら」
「もう他の国とは戦えないです」
「決して」
「左様ですね」
「全く以て」
 こう話すのだった。
「これまではサハラと敵対していましたが」
「それを終えて」
「敵は連合のみにして」
「そしてですね」
「そのうえで」
「我々は国家戦略を進めていくべきですね」
「さもないと」
 それこそという言葉も出た、ここで。
「エウロパをまた敗北に導きます」
「それはあってはなりません」
「やはりサハラとは和睦を結び」
「そして連合のみを敵とし」
「我々は国家の発展に挑むべきですね」
「確かに連合は内のまとまりに欠けます」
 このことをエウロパも衝いて工作を行ってきた、このことが他国から見れば連合の弱点に他ならないのだ。
 しかしだ、そのまとまりのなさがあろうともというのだ。
「ですが巨大に過ぎます」
「言うなら三百以上の頭があり」
「中央に巨大な頭があります」
 これが各国政府と中央政府を表しているのは言うまでもない。
「そしてです」
「それぞれの頭が常に争っています」
「その争いが終わることはありませんが」
「巨大であり」
「その力は強大です」
 このことは変わらないというのだ。
「とかく強いです」
「そのことは事実ですから」
「事実我々は敗れています」
「先のエウロパ戦役において」
「あの数と装備に敗れました」
「そう思いますと」
 やはりと言うのだった。 
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