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夢幻水滸伝

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第二百六十三話 山中の賢者その三

「だからよ」
「いつもこう言ってくれるんですよ」
「それは何よりですね」
「出来ればこの娘が大きくなっても」 
 孫娘を愛し気に見ながらだ、塾長は花華に話した。
「この世界があって欲しいです」
「その為にですね」
「お願い出来ますか」
「この世界を救う為に働くことを」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「そのはじめとして」
「わかりました、ほなです」
 花華は塾長の言葉に頷いて述べた。
「市長さんに会わせて下さい」
「それではその様に」
 市長も応えてだった。
 そのうえで塾長を仲介人として昆明の市長と会うことになった、両者は街の中でも特に大きな飯店でだった。
 塾長を介して会った、市長は山羊人の塾長と同じ位の年齢の男であった。
 二人は塾長と共に円卓を囲んだが市長から言ってきた。
「まさかこの街に星の方がおられるとは」
「思いませんでしたか」
「はい、ですがお話は聞いています」
 塾長を見つつ花華に話した。
「旗揚げをされるのですね」
「この街から」
「宜しくお願いします、出来ることはです」
 市長は花華に頼み込む様に言ってきた。
「させて頂きますので」
「協力してくれるんですか」
「当然です」
 一も二もない返事であった。
「私達を救って下さるのですから」
「それが星の人やからですか」
「そうさせてもらいます」
「そうですか、ほな今から」
貴陽「からですね」
「旗揚げさせてもらいます」
「宜しくお願いします、この街はまとまっていますし」
 市長は街の状況も話した。
「この貴州省で拠点とされるにはです」
「ええ街ですか」
「そうですので」
 だからだというのだ。
「ここからの勢力拡大は楽かと」
「まずは街がまとまってる」
「それがです」
 まさにというのだ。
「まずいいですね」
「はい、それは」
「ではここから」
「まずはその街の状況を確認させて下さい」
 花華は市長に率直に申し出た。
「そうしてです」
「そこからですか」
「この街を治めることもです」
 それもというのだ。
「していきます」
「そうですか、では」
「まずはそうさせて下さい」
「わかりました」
 市長も頷いた、だが。
 ここでだ、花華は市長それに同席している塾長に尋ねた。辛い料理が出て来てそれを共に食べながらのことだった。
「しかしどうして私を偽物やと思わへんのですか?」
「それは一目瞭然です」
 即座にだ、塾長は答えた。
「まさに」
「ステータスで、ですか」
「例え自称してもです」 
 自らが星の者と、というのだ。
「二百を遥かに超えるレベルで」
「その異常とも言える高いステータスと特技を見ますと」
 市長も言ってきた。 
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