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夢幻水滸伝

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第二百六十三話 山中の賢者その一

                第二百六十三話  山中の賢者
 花華は気付くと異世界にいた、そのことを声に告げられてだった。
 そこからも様々なことを聞いた、そうしてこの世界のことと自分自身のことを聞いて理解してだった。
 具体的に何をしようかと考えている時にだった、彼女の目にだった。 
 一つのポスターが目に入った、それは自分が今いる貴陽の学習塾で講師を募集しているというものだったが。
 それを受けて塾に行くとだった。
 羊人の老婆の塾長とまずは会ったが塾長は驚いて言った。
「貴女は只者ではないですね」
「わかりますか」
「ステータスを見れば」
 それでとだ、塾長は花華に答えた。
「わかります」
「そうなのか」
「はい、貴女ならです」 
「塾の講師になれますか」
「この塾どころか」 
 塾長は驚きを隠せないという顔で話した。
「この貴州省全体の教育もです」
「その全体をですか」
「受け持てるとです」
 その様にというのだ。
「思います」
「そうなのですか」
「それ以上です、貴女はまさか」
 塾長は考えつつ花華を見つつ話した。
「この世界を救われるという」
「はい、星の者とです」
 花華は塾長に正直に答えた。
「言われています」
「やはりそうでしたか」
「先程この世界に来たばかりですが」 
 それでもと言うのだった、十九世紀末期の中華風の大きな建築である塾の中で。
「何をしようかと考えていましたら」
「そこで、ですか」
「この塾の講師の募集の広告を見まして」
「来られたのですね」
「そうでした」
「あの、こうした塾よりもです」 
 塾長は花華に真剣そのものの顔で話した。
「よりそれも遥かに大きなことにです」
「向かうべきですか」
「はい」
 こう言うのだった。
「貴女にはそれが出来ます」
「具体的にはどないすればええでしょうか」
 花華は塾長に言われ考える顔で述べた。
「一体」
「そうですね、旗揚げをされて」
 そうしてとだ、塾長は花華に話した。
「統治をされてです」
「そうしてですか」
「善政で多くの人を救われては」
「私にそれが出来るでしょうか」
「出来ます」
 塾長は断言で以て答えた。
「貴女の能力なら」
「このステータスならですか」
「私のステータスをご覧になって下さい」
 塾長はここで自分のステータスを見せた、するとだった。
 レベルや体力、気力だけでなくだ。
 あらゆるステータスが花華の方が上であった、それも神と人程の違いであった。塾長はそれを花華に見せてから話した。
「私は所詮この塾を動かすだけの器ですが」
「私はですか」
「この世界を救われる星の方だけあり」
 それでというのだ。
「素晴らしいステータスをお持ちです」
「ではこの能力で」
「まずはこの昆明で旗揚げをされて」
「そうしてですか」
「統治をはじめられては」
 こう花華に言うのだった。 
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