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おっちょこちょいのかよちゃん

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245 炎と炎の攻め合い

 
前書き
《前回》
 杖の奪還に向かう途中、ベニートという男と遭遇した冬田達は彼を追い詰めるまではいったが、赤軍の山田義昭が加勢に現れ、戦局は振り出しに戻される。一方、ダービー伯爵が召喚した馬を退治すべく、かよ子達はスケッチブックを持った少女に隆盛、利通という男と馬をなぎ倒す。そしてかよ子はアルフレートの短刀から丸鋸を出してダービー伯爵を八つ裂きにして撃破した。だがその直後、東アジア反日武装戦線の片岡利明と大道寺あや子が現れた!! 

 
 かよ子の羽根の上に東アジア反日武装戦線の片岡利明とアサカワこと大道寺あや子が結界を無視して近づいていた。
「なんで!?結界があるのに!!」
「今の火薬は結界を消す為のものだ。人間には効かねえがな」
 片岡が種明かしをした。
「それじゃ、今度はあんたらの道具を、使えなくさせてもらうわよ!!」
「や、やだ、やめて!!」
 かよ子は叫ぶと共に片岡とアサカワを羽根から武装の能力(ちから)で跳ね落とした。
「うおお!!」
「キャー!!」
 二名のテロリストは地面に落ちる。
「異能の能力(ちから)か。まずはそれを何とかしないとね!!」
「ちっ、赤軍の機械はもう使えねえのが辛いな」
「私の杖を返さないとこっちは落ち着かないよ!!」
 かよ子は短刀を出して猛攻を試みる。

 組織「義元」はヴィクトリア女帝の館へと向かう。
「あそこか!」
「・・・ん、待って・・・!!」
 すみ子が皆を止めた。
「また、来る・・・!!」
「何!?」
 一人の女性が現れていた。
「お前は雷の山で会ったいつかの・・・!!」
 彼女はすみ子達が雷の山で交戦した者の一人、アリスだった。
「ええ、そうよ。あの時はコテンパンにされたけどね。今度はこっちが貴方達をコテンパンにする番よ!!貴方達は杖を取りに来たのかしら?」
「ああ、そうだ、そこをどけ!!」
「言われてそうすると思うのかしら?」
 アリスはティアラを触る。炎がすみ子達を襲う。
「な、消してやるでやんす!!」
 ヤス太郎がパチンコを飛ばして迎撃する。飛ばした弾は水玉だった。大きい波と化して消火する。
「そんなもので消えると思ってるのかしら!?」
 アリスが出した炎は消えなかった。周囲は火の海に包まれた。
「な、やべえぜ!!」
 すみ子が銃で周囲に壁を張り、エレーヌが腕を振るって炎を遠ざけた。しかし、炎が消化されない。
「おのれ、いくら女王の王女とはいえ許さぬ!!皆の者!」
「はっ、ジャンヌ様!!」
 ジャンヌは剣を天に向ける。
「大天使ミシェルよ、我々に力を!!」
 一人の天使が降りて来た。
「我が名はミシェル」
「大天使ミシェル、我々の軍に勝機をもたらしたまえ!!」
「よかろう。この炎、我が神の炎で迎撃してくれる!!」
 ミシェルは自身の身体の周囲から炎を出現させた。アリスが出した炎の向い火となってすみ子達を防御する。
「あの女に裁きの炎を!」
 ミシェルの炎が大きくなり、アリスへと襲う。
「あれが大天使の力・・・!?」
 アリスが焼かれる。
「やった・・・!?」
 しかし、アリスは生きていた。
「え、駄目・・・!?」
「私のティアラは攻撃するだけだと思ってるのかしら?」
 アリスは火傷を負っている様子はなかった。
「そうですか、あのティアラで負傷してもすぐに治癒できるわけですね!!」
 エレーヌが論破した。
「正解よ!そっちの世界にフローレンスとかいたわね!?前に生きてた頃はあの人の弟子だったのよ!!」
 アリスは話を終わらせ次は電撃を放つ。
「どのような攻撃も通さん!!」
 大天使ミシェルが炎で迎撃する。互角といったところである。
「私自身も動くまで!!」
 ジャンヌは秤を取り出す。秤はアリスが優勢になるように傾いていた。
「まさか、ミシェルの炎を持ってしてもあの女が優勢・・・!?」
 ジャンヌは意地でも秤の傾きを正反対にしようとした。
「ようはあいつが頭につけているあのティアラを壊せばいいんだな!!」
 山口は矢で、川村はバズーカでアリスのティアラを狙う。しかし、ティアラは呆気なく矢もバズーカの砲撃も防御した。
「簡単に防がれちまえばどうすればいいんだ・・・!?」
 為す術がなく、困る一同。そうしているうちにアリスが次の攻撃をする。また炎の攻撃だった。
「何度やっても同じだ!!」
 ミシェルは炎で迎撃する。だが、これでは打開できない。
「・・・、そうだ、皆様!!」
 エレーヌが呼びかける。
「あの人を狙っても駄目でしたら、このミシェルに加勢しましょう!!」
「そうか・・・。よし、川村、ヤス太郎!!ミシェルの炎を強めるぞ!!」
「おう!」
「了解でやんす!!」
 山口、川村、ヤス太郎はミシェルに加勢する。山口の矢はミシェルの炎を取り込み、炎に包まれた状態でアリスを襲う。そして川村のバズーカがミシェルの炎を強める。ヤス太郎も火薬玉でサポートした。ミシェルの炎が更に強くなる。ジャンヌは秤を確認する。
「よし、こちらが優勢になったぞ!!」
 アリスのティアラから出した炎よりも更に強力になった炎で彼女を襲う。
「な・・・!!」
 アリスが炎に包まれる。
「よし、やったか!?」
 だが、炎が消えた。
「何!?」
 アリスは炎から水を操る能力に移行させたのだった。
「ちい、これでも駄目だったか!!」
「焼いても駄目なら溺れて終わりなさい!!」
 アリスは大波を出す。だが、波が途切れた。すみ子が銃出した結界でも簡単に防御できた。
「な、何が起きたの!?」
 アリスは我に帰ると頭のティアラがなくなっていた。
「私ですよ」
 エレーヌが後ろから回り込んでアリスのティアラを奪っていたのだった。
「皆さん、今です!!」
「おうよ!」
 ミシェルの炎がアリスを焼き尽くす。さらに山口が矢が刺さり、川村のバズーカで腹部に穴を空けられ、ヤス太郎の火薬玉で更に身体を焼かれた。
「よし!!」
「ん・・・、待って・・・!!」
「どうした、すみ子?」
「また誰か、来てる・・・!!」
 すみ子の見聞の能力(ちから)は嘘をつかなかった。
「お前は・・・、赤軍だな!!」
「ああ。アリスを殺ったが、お前らはここで終わりだ!!」
 岡本は聖母マリアを出現させる。
「あれは聖母マリア・・・!!」
 ジャンヌは対策を練る。
(やるか、私もありったけの能力を出して・・・!!)

 かよ子は武装の能力(ちから)で地面に弾き落とした片岡とアサカワに対して短刀を向ける。
「えい!!」
 かよ子は短刀から炎を出現させた。二人に向けて放火する。片岡とアサカワは取り囲まれた。
「な、こんな炎・・・!!」
 アサカワは火薬を投げた。炎が呆気なく消滅する。
「某が行くぞ!!」
 次郎長が羽根から飛び降りて刀を振るう。風が竜巻の如く吹き始めた。
「山田かよ子、その短刀で風を起こせ!!」
「う、うん・・・!!」
 かよ子は短刀を次郎長が作り出した竜巻に向けた。更に強力な竜巻が形成される。
「す、凄い・・・!!」
 かよ子は自分の杖でも竜巻を作り出した事はあったが、今の竜巻はその時以上に強力なものだった。
「これならあの人達を遠ざけられる!!」
 かよ子は竜巻を片岡とアサカワに向けた。
「かよちゃん、アタシも行くよ!」
 まる子が炎の石を使用する。炎が竜巻に組み入り、炎の渦と化した。
「ま、まるちゃん、凄い!これならいけるかも!!」
 かよ子は強力となった竜巻で攻撃する。
「ふ、これで追い詰めたと思うな・・・!!」
 片岡がまた別の爆薬を投げる。白い粉のような物が現れた。そして炎の渦が消えて行く。
「え・・・!?これは一体!?」
「ハハハ、この火薬は消火器に含まれる成分が入っていたのだ!!そんな合体攻撃など怖くはない!!」
 だがその時、巨大な狛犬が現れ二人を襲う。
「な、なんだ、この犬!?」
「おいどんが出したでごわす」
 隆盛が狛犬を出現させていたのだった。
「た、隆盛さん、ありがとう!!」
 かよ子は隆盛に礼をした。
「まだ戦いは終わっとらんたい!」
「あ、そうだった!!」
 かよ子は短刀を向ける。狛犬は二人の服を噛みちぎり、火薬を全て奪っていた。
「よし、お前ら逮捕だ!!」
 椎名と関根が攻撃に入る。 
 

 
後書き
次回は・・・
「神と神の激突」
 東アジア反日武装戦線の片岡とアサカワの戦い、椎名と関根は二人を確保できるのか。そしてすみ子達の元には赤軍の岡本が聖母マリアを召喚してすみ子達を始末しようとする。それに対し、ジャンヌが召喚した大天使ミシェルがぶつかり合う・・・!! 
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