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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード ~歌と魔法が起こす奇跡~

作者:黒井福
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GX編
  第135話:残酷で、だけど優しくて

 
前書き
どうも、黒井です。

今回で漸くクリスサイドの戦いも決着です。決着まで持って行きたかったので、前回までと比べると大分長い話になりました。 

 
 エルフナインを介した通信を切ったキャロルは、虚空を睨み付けて忌々し気に舌打ちをした。

「チッ、使われるだけの分際で……」

 キャロルにとって予備躯体の候補であったエルフナインは完全に物であり、意思などと言うものは本来必要のない存在であった。だがただの人形ではS.O.N.G.にダインスレイフを届けるという役割をこなせない。だからある程度の自由は残して放置してやったというのに、一端の絆を築いている事が気に食わなかった。

 そんな事に気を取られて足を止めていたのがいけなかったのだろう。追跡してきていたクリス達が追い付いてしまった。

「ここまでよ! キャロル、ドクター!」
「さっきみたいにはいくもんかデス!」

 今度こそキャロル達を捕らえるという気合に溢れた切歌と調。その2人の言葉に、しかしキャロルは追いつかれた事に対する焦りは微塵も見せなかった。

「だがすでに、シャトー完成に必要な最後のパーツの代わりは入手している」

 後はこの場を逃げ出すだけ。その為の障害となる装者達の足止めの為、キャロルは残ったアルカノイズの召喚結晶をばら撒いた。

 結晶が砕け、紋章が出現しアルカノイズが姿を表そうとする。

「子供に好かれる英雄ってのも悪くないが、生憎僕はケツカッチンでねッ!」
「誰がお前なんかッ!」

 何を勘違いしているのか、それとも単純に彼女らを呷りたいだけなのか分からない言葉を宣うウェル博士に切歌は反射的に噛み付いた。

 それが彼の狙いだったのかは分からないが、お蔭で先手をあちらに許してしまいアルカノイズが完全に召喚されて迎撃態勢が整ってしまった。出遅れた事に僅かながら歯噛みしつつ、切歌達もシンフォギアを纏った。

「Zeios igalima raizen tron」

 クリス、切歌、調の3人がシンフォギアを纏い、透がメイジに変身してアルカノイズを蹴散らしキャロル達に迫ろうとする。

 序盤、4人は立ちはだかるアルカノイズを次々蹴散らしながら確実に前進していた。持ち込んだアルカノイズの数に限界があるのか、その数は決してそこまで多くは無くこのままいけば苦も無く殲滅してキャロルまで迫れそうな勢いであった。

 だがそれもクリスにオートスコアラーのレイアが肉薄してきた事で状況が変化する。

「くっ!?」

 クリスは取り回しの良い二挺の拳銃で、トンファーによる接近戦を仕掛けてきたレイアを迎撃するもレイアはトンファーを巧みに扱いクリスの持つ拳銃の銃身を弾いたり、躍る様に左右に動いて放たれる銃弾を回避した。
 こういう相手にはガトリングなどで弾幕を張るのが最も効果的なのだが、何だかんだ言って先程の弦十郎とのやり取りなんかを気にしているのかクリスは重火器の使用を控えて小火器による迎撃だけに留めようとしていた。

 それがいけなかったのだろう。レイアはクリスの銃撃を回避しながら、クリスの行動の先を読んで床から結晶を出現させた。レイアが何かをしてくると踏んで飛んで回避しようとしたクリスだったが、動きを読まれて着地点に飛び出してきた結晶にぶち当たってしまった。

「ぐはっ?!」
「ッ!?」

 クリスの悲鳴に、アルカノイズの群れを突破してキャロルとウェル博士に肉薄しようとしていた透が振り返る。クリスの救援とキャロルの捕縛、どちらを優先させるかで迷う透だったが、迷いは一瞬でクリスの元へ向かおうと引き返そうとした。

「く、来るんじゃねえ透!!」
「ッ!」
「お前は、さっさとキャロルの方に行け! こっちはアタシが1人で何とかする!!」

 体勢を立て直しながら叫ぶクリスだったが、透の目から見て今のクリスは危なっかしくて仕方がない。目を放せば、必要以上の無茶をするかもしれなかった。そう考えると思わず透の足が止まってしまう。

 その間に、レイアはクリスから一旦離れキャロルを下がらせることを優先させた。

「あとは私と……間も無く到着する妹で対処します」
「大丈夫なのか? あの魔法使いはなかなかの手練れだ。一筋縄ではいかんぞ?」
「ご心配なく。そちらへの備えも既に整えております」
「何?」

 キャロルの計画遂行に当たって最大の障害である魔法使いは決して無視できない存在だ。彼女にとって、ここでレイアが透に倒される様な事があってはならなかった。
 もしもと言う可能性を懸念するキャロルだが、それに対するレイアは何も心配いらないと自信を持って言い放つ。その言葉に一瞬、何時の間にジェネシスを読んだのかと小首を傾げるキャロルだったが、次の瞬間レイアが誰を呼んだのかを知る事になった。

「ハァッ!!」
「ッ!?」

 足を止めていた透に、突如として襲い掛かって来る刺突。迫る殺気に気付いた透が、咄嗟にカリヴァイオリンで防ぐとそこにはバッファマントのビーストが居た。

「魔法使いッ!? テメェら、キャロルに何しようとしてたぁッ!!」

 力を増強させるバッファマントは、透の防御を押し退けて刃を叩きつけようとしてくる。激しい斬撃や刺突に、透は持ち前の素早さを発揮しきる余裕もなく回避と防御、受け流しに専念せざるを得なかった。

「ハンスッ! レイア、お前――!!」
「申し訳ありません。ただこの状況で、最も迅速に駆けつける事が出来て頼りになるのは彼しかいなかったので」

 ハンスの変身するビーストは、メイジなんかと違って出力は大きいがその分魔力を馬鹿食いする。しかも現代の魔法使いに比べて古い造りのドライバーは、サバトを必要としない代わりに変身する者の命を削る勢いで魔力を消費するのだ。しかもハンスはその魔力を、想い出の焼却により捻出している為その消耗は凄まじい。代償に彼の変身するビーストはああして透を相手に優位に立っているが、それは刻一刻とタイムリミットが迫っている事の証でもあった。

 計画も終盤に入ったこの状況で、悪戯にハンスを消耗させるような判断をしたレイアを叱責したいキャロルではあったが、レイアが透に討ち取れてしまっては元も子もない。レイアの判断の正しさを理解せずにはいられないキャロルは、それ以上責める言葉を飲み込み主人として掛ける言葉を優先させた。

「……ご苦労。レイア、オートスコアラーの務めを……」
「派手に果たしてみせましょう」

 キャロルからの言葉に淀みなくレイアが答えると、納得した様子のキャロルはテレポートジェムでウェル博士と共にその場から退避した。

「ばっははーいッ!」

 光の中に消える最中、暢気に手を振って来るウェル博士。

 それを見たクリスは、逃げられる前に2人を捕えようと体勢を整え飛び出した。

「待ちやがれッ!」

 だが飛び出したクリスの前にレイアが立ち塞がると、手にしたトンファーで彼女の顔を2度3度と殴りつけ押し返した。

「ぐっ!? がっ!? かはっ?!」
「不味いデスッ!? 大火力が使えないからって前に飛び出すのはッ!」

 本来であれば、それは透の仕事であった。何時ものクリスであれば、透の傍或いはその後ろで彼を援護しつつ遠くに居る敵を排除する事を最も得意としている。
 だが今、その肝心の透はハンスにより釘付けにされておりクリスの前衛に回る事が出来ない状態であった。この状況で下手に前に飛び出しても、付け焼刃の接近戦ではそれを得意とする相手に圧倒されるのは自明の理である。

 一頻りアルカノイズの数を減らした切歌と調が急いで透の代わりにクリスの援護に向かおうとするが、レイアはそれを許さずコインをマシンガンの様に放ち2人を足止めし、動きを止めた2人を特大のコインで板挟みにした。

「あっ!?」
「はっ!?」

 二方向から迫る巨大コインに、危険を感じる2人だが時既に遅く。

 巨大なコインに挟まれ、大ダメージを負った2人はその場に力無く倒れてしまった。

「お前らッ!?」

 体勢を立て直す最中、2人が挟まれる姿を見たクリスの悲痛な声が響き渡る。

 今この状況で3人を満足に援護できるのは自分1人しかいないと、透はハンスの攻撃を振り払いそちらの援護に向かおうとした。

 兎に角、まずはレイアを倒す。それが最優先だとレイアに的を絞る透だったが、ハンスは彼がレイアに近付く事を許さなかった。

「そうはさせるか!」

 ハンスはダイスサーベルのルーレットを回し、セイバーストライクを発動させる。止まった出目は…………6。

〈シックス! セイバーストライク!〉
「逃がすかぁッ!!」
「ッ!? ハンス、待てッ!!」

 透の背中に向けてセイバーストライクを放つハンスだが、頭に血が上っている彼はある事を失念していた。

 今の透の延長線上には、クリス達装者が居る。キャロルの計画の為には、魔法使いによりオートスコアラーが倒される訳にはいかないが、同時に装者が迂闊に倒される訳にもいかないのだ。
 或いは想い出の焼却が進み過ぎて、その事を失念していたのかもしれない。

 兎に角、レイアが警告した時点ですでにハンスはセイバーストライクを発動し、透の背に向けて最大火力の魔力で出来たバッファロー6体を放ってしまっていた。あの威力なら、透だけでなくその先に居るクリス達も無事では済まないだろう。

 そのレイアの警告の意味に、気付いたのは皮肉にも狙われていた透の方であった。透はこのままではクリス達が攻撃の巻き添えを喰らうと気付くと、咄嗟にその場で足を止めハンスのセイバーストライクを全て己の体で受け止める事を選択した。

「透ッ!?」

 両腕を広げて壁になる透。魔法の障壁を出す暇も無く、その身で魔力のバッファローを6体受け止めた。

 予想通りその威力は凄まじく、透の姿が一瞬爆炎により見えなくなった。その光景にクリスが悲鳴のような声を上げるが、煙が晴れた時そこにはまだその場で立ち尽くす透の姿があった。

「透ッ!」

 一瞬安堵するクリスだったが、煙が晴れ透の姿が鮮明に見えるようになるとその表情も曇った。

 今の透は正しく満身創痍。全身ボロボロで、クリスからは見えないが仮面にも罅が入っているほどだ。
 しかもダメージはかなり大きかったらしく、膝がガクガクと震え立ち続ける事が出来なくなったのかその場に崩れるように膝をつく。変身しているだけで精一杯という様子の透だったが、ハンスはそんな彼にも容赦しなかった。

「これで、終わりだ」
〈キックストライク! ゴー!〉
「ッ!? 止せ、止めろッ!?」

 トドメを刺そうと、必殺技のストライクビーストを放つハンス。それに気付いたクリスが手を伸ばして懇願するが、ハンスはそれを無視してもう満足に動く事も出来ない透に必殺の飛び蹴りを叩き込んだ。

「ハァァァァァァッ!!」

 動けない透の胸板に、ハンスの足が突き刺さる。無防備に攻撃を受けた透は、エネルギーの破裂による爆発で吹き飛ばされ壁に叩き付けられた後に力無く倒れた。

「透ッ!?」

 クリスが慌てて駆け寄ると、同時に透の変身も解除された。ボロボロになった透を、クリスが抱き起す。幸いな事にまだ息はあるが、意識を失っているのか動く事は無い。

「透……ぁっ」

 動かない透を抱き起しながらクリスが周囲を見れば、そこには並んで倒れた切歌と調の姿もある。2人も意識を失っているのか、ボロボロの姿で目を開けずに倒れている。

 仲間が、後輩が、愛する者が皆倒れたその光景に、クリスは手足が先から冷たくなっていくのを感じた。

「結局……アタシは一人ぼっちなのか……。いや、一人ぼっちが、仲間とか友達とか、先輩とか後輩……恋人なんて、求めちゃいけないんだッ!」

 最初から1人で居れば、こんな思いはしなくて済んだ。

 誰とも関わる事さえなければ、喪失に悲しむ事は無かった。

 自分が関りさえしなければ、透も、切歌も、調も、誰も彼もがこんな目に遭わずに済んだ。

 クリスの心を暗い後悔の念が塗りつぶしていき、その目からは涙が零れ落ちる。

「でないと……でないと……ッ! 残酷な世界が皆を殺しちまって、本当の一人ぼっちになってしまうッ!」

「何で……世界はこんなにも残酷なのに、パパとママは、歌で世界を救おうとしたんだ……」

「透は何で……こんな世界が信じられるんだ……」

 もうクリスにはどうすればいいのか分からなかった。自分を導いてくれる親も、自分を守ってくれる恋人も信じられない。

 絶望と悲しみに暮れるクリスに、透を始末したと思っているハンスがゆっくりと近付きダイスサーベルの切っ先を彼女の首に近付けた。

「何を泣いている。お前の役目は唄う事だろ? ならさっさと唄え」
「う……うぅ……」

 もう全てがどうでもよくなりつつあるクリスは、自分の首筋に刃が突き付けられ薄皮が切れて血が流れている事も気にしない。

 否、この場で討ち取られても構わないと言う諦観すら感じていた。そうすればいっその事楽になれると。

 ハンスにもクリスの諦めが伝わったのか、失望の溜め息を吐くとクリスを始末しようと剣を振り上げる。唄えない装者など邪魔でしかない。

「もういい。お前はキャロルの計画に必要ない。邪魔者は……消えろ!」

 クリスの胸元に向け放たれる刺突。そのままハンスの剣が、クリスの心臓を貫くと近くで見ていたレイアは漠然と予想していた。

 だがその予想は大きく裏切られ、クリスの胸元に向けて迫っていた刃を透が素手で掴んで止めた。

「ッ!? な、にぃっ!?」
「えっ? ぁ、透……?」

 あわやと言うところで意識を取り戻した透は、クリスに迫る凶刃をその手で掴んで止めていた。その結果透の手が裂けて血が流れ落ちるが、透は刃を掴んでいる手の力を微塵も緩めない。
 それどころか、徐々に押し返してすらいた。バッファマントを纏い、通常時よりもパワーが増している力を押し退けてである。

「そん、な……馬鹿な……!?」

 信じられないと仮面の奥で目を見開くハンスは、それ故に気付けなかった。

 残り2人も既に意識を取り戻しており、クリスの窮地を救うべく動いていた事に。

「フンッ!」
「ヤァッ!」
「がぁっ?! こ、コイツ等ッ!?」

 透に刃が受け止められて動きを止めたハンスに、鎌と丸鋸が襲い掛かる。弾き飛ばされた拍子に剣から手を放してしまい、吹き飛ばされたハンスをレイアが受け止めた。

「ハンスッ! 大丈夫か?」
「ぐっ!? あぁ、心配ない。それよりアイツら……!」

「1人じゃないデスよ」
「……未熟者で、半人前の私達だけど。傍に居れば誰かを一人ぼっちにさせない位は……」
「何より、クリス先輩には透先輩が居るじゃないデスか」
「信じてあげてください。透先輩の事」

 呆然としているクリスの前で、満身創痍の透が立ち上がる。立ち上がった透が振り返ると、クリスはまだ呆然と座り込んでいるので彼は小さく笑うと膝を下ろして目線を合わせ、彼女の額にデコピンを一発お見舞いした。

「ぅあっ!? え、透?」

 混乱した様子のクリスに、透はどこか楽しむような笑みを浮かべると今度はそっとクリスの額に自分の額をコツンと優しくぶつけた。

 そして再び立ち上がると、変身せずに切歌と調の前に出た。無防備な姿で前に出る透に、流石に危険だと2人が手を伸ばす。

「透先輩ッ!?」
「危険です、下がってッ!!」

 警告する2人だが、透は振り返ると口元にそっと人差し指を当てるだけで下がることはしない。

 そして精神統一する様に一度目を瞑り大きく深呼吸すると、目を開けハンスを見据えて手を差し出し、指先をクイクイッと引いた。
 それは誰がどう見ても相手を挑発する仕草に他ならず、温厚な彼が敵とは言え相手に対してそんな事をするとは思っていなかった切歌と調は思わず互いの顔を見合わせた。

「テメェ、上等だッ!」

 死に掛けの魔法使いに挑発されたとあっては、ハンスも黙ってはいられない。今度こそトドメを刺してやると、愚直にも真正面から接近し剣を振り下ろした。

「ハァッ!!」

 変身しているならいざ知らず、生身を晒してこの一撃を耐えられるはずがない。先程は素手で受け止められたがあんなのは偶然だと、自身の勝利を微塵も疑わずに透を切り裂こうとした。

 その剣が、掲げた透の腕により弾かれた。

「何ッ!?」

 それはあり得ない光景だ。メイジに変身していればともかく、生身でこの一撃が受け止められる筈がない。

 信じられないと透を見ていたハンスは、ある違和感に気付いた。透の姿に、何かが重なっている。

「何だ、あれは……?」

 ハンスが凝視していると、次の瞬間透の姿に重なっている”何か”が浮き上がる様に姿を現した。

 それは一言で言えば首の無い騎士。重厚な鎧を纏った首の無い騎士が、魔力で体を形作り半透明な体で透の頭上に浮いていたのだ。

「それは、まさか……!? ファントムッ!? 馬鹿な、飛び出してきやがったのかッ!?」

 一応、魔法の中には自身の中に眠るファントムを呼び出す物が無い訳ではない。だが透は、何の魔法も介さず、それでいて己を肉体諸共維持しながらファントムの力だけを可視化できるほどに具現化しているのだ。





 その本来であればあり得ない光景に、ハンスだけでなく本部でモニターしていた弦十郎達も息を呑んだ。

「あれは、一体……?」
「あれが透の修行の成果です」

 言葉を失った弦十郎に、アルドが静かに説明する。

「魔法の中には確かに、ファントムを具現化させるものもあります。ですが透は修行により自身のファントムの力を制御した結果、その力を魔法を介さずに操る事に成功したのです」

 言ってからアルドは否、と自身の発言の一部を否定した。あれはファントムの力を操っているのではなく、共闘していると言った方が正しい。

 恐ろしいのは透の信じられないまでの精神力の強さである。力に屈する事も、力に呑まれる事も無く、自身の内側に眠る力と手を取り合い力を共有した。
 推測だが、透の中に眠るファントムと透自身の相性がこの上なくマッチしているのだろう。能力的にも、そして精神的にも。

 1人の少女を守る為に己の命を懸け、且つ正々堂々とした騎士道精神に溢れる少年。その彼の中に眠る力が具現化した存在もまた、見た目通りに騎士道精神に溢れていたのだ。その両者が共感する事で、倍以上の力が発揮できる。

 透が修行により得た力がそれであった。




「このぉぉぉっ!」

 一瞬怯んだハンスだが、気を取り直して再び透に突撃する。ファントムの力を具現化させているとは言え、彼はまだ生身。やりようは幾らでもあると思っていた。

 だが透の頭上に出現した半透明なファントム「デュラハンファントム」は、透の前に移動すると再び腕でハンスの攻撃を受け止め、反対の手に持つ剣で反撃の一撃をお見舞いし引き下がらせた。

「ぐぁっ!? くっ!?」

 ハンスを引き離した透は、一度振り返りクリスに向けて笑みを見せる。その笑顔からは、透の確かな想いが伝わってきた。

 大丈夫。何処にもいかない。クリスは一人ぼっちなんかじゃない。

 彼の想いが確かにクリスの心に届いた瞬間、それまでクリスの心を覆っていた暗い気持ちとか、脳裏に浮かんでいた殺風景な景色が綺麗さっぱり吹き飛んだ。
 クリスの表情からそれを察した透は、前を向くと再びメイジに変身した。

〈チェンジ、ナーウ〉

 透がメイジに変身すると、それまで姿を見せていた半透明なファントムは彼の中に引っ込んでいった。その事にハンスは変身すれば所詮同じと僅かながらに油断した。

 それを透は目の前で覆した。

〈アーマースペシャル、ナーウ〉

 透が使用する新たな魔法。それは以前まで使用していたスペシャルの魔法の改良版であった。

 以前のスペシャルでは、透は脱着自由で且つ即座に再生する鎧を上から纏い防御力と攻撃力を引き上げる反面、スピードを犠牲にするという彼本来の持ち味を殺す姿にしかなれなかった。
 だがこの魔法は違う。ファントムの力と手を取り合った彼は、その力を自身に最も最適な形で使えるようになっていた。

 本来のデュラハンファントムの鎧に比べて、スッキリとしたスマートな鎧が上からメイジを覆い隠す。動きを阻害しない、軽くて丈夫な鎧を身に付けた透は着心地の良さに満足そうに頷くとクリスに手を差し出した。

「透……」
「後輩や恋人を求めちゃいけないなんて、そんなの勝手に決めないで欲しいデスよ」
「私達はクリス先輩だからついて行くんです。透先輩だって、クリス先輩だから好きなんですよ」

 スッキリとした心に、切歌と調の言葉が沁み込んでくる。夏場の暑い盛りに飲む水の様に爽やかな感覚に、クリスの顔は自然と笑みを形作っていた。

「――そっか。アタシみたいのでも先輩をやれるとするならば、お前達みたいな後輩が居てくれるからなんだな。そんなアタシだから、透は……」

 クリスは前に歩き出し、透の手に自分の手を優しく乗せた。その光景は正しく、1人の騎士が姫君を誘う一幕の様であった。

「もう怖くないッ! イグナイトモジュール、抜剣ッ!」
【DAINSLEIF】

 透に頷き返し、クリスはイグナイトモジュールを起動させる。光の楔がクリスの胸に打ち込まれ、魔剣の呪いが彼女の心身を蝕んだ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 体と心を苦痛が駆け巡るが、彼女の心に恐れや絶望はもう存在しない。

――あいつらが……アタシをギリギリ先輩にしてくれる。……透が、アタシを愛して包み込んでくれてる――

 傷付きながらも自分を支えようとしてくれている、切歌と調の2人の存在。そして何より、今も尚自分の手を握ってくれている透の温かさを身近に感じ、クリスは心身を苛む呪いを跳ね除けた。

――そいつに応えられないなんて……。他の誰かが許しても、アタシ様が許せねえってんだッ!――

 そしてクリスのギアが変化する。イグナイトモジュールの起動に伴い、黒く変色したギアはどこか暴力的な刺々しさを持ち、全身を燃え上がる炎の様なオーラで包んでいる。
 そんなクリスに、透は頷くと取っていた手を仮面の口元にそっと持って行く。ちょっとした景気付けだ。

 普段透がやらないような気取った行動に、クリスも負けじと笑みを浮かべて応えた。

「へっ! 行くぞ透ッ!」

 両手に持ったアームドギアのボーガンがレイアとハンスに向けて矢を降らせる。雨霰と放たれる光の矢を、レイアは前に出てトンファーを回転させ防いだ。

 そこに透が接近する。クリスの絶妙な狙いにより細く開かれた隙間を駆け抜けた透は、レイアに接近するとカリヴァイオリンに比べて幅広で大きな剣を振るいレイアを両断しようとした。

「させるかよ!」

 それをハンスがダイスサーベルで妨害する。バッファマントの膂力による防御は、しかしファントムの力を上乗せした透には敵わず押し返されるどころか弾き飛ばされた。

「ぐぉあっ!?」
「ッ! 地味に強力……だが!」

 如何にパワーが優れていようと、この至近距離から弾幕を張られてはどうしようもあるまい。何より透が目の前に来た事で、クリスの銃撃が止まり実質1対1の戦いとなっている。

 レイアはトンファーをコインに戻し、至近距離からの連続射撃で打ちのめそうとした。
 だがレイアが射撃体勢を整えた次の瞬間、透の肩から突き出るようにクリスのボーガンが乗せられ引き金が引かれた。

「ぐっ!?」

 ヤバいと感じたレイアが咄嗟にその場から転がって逃げると、先程まで立っていた場所を無数の光の矢が通り過ぎる。
 そう、クリスからレイアへの射線が通らないという事は、同時にレイアからクリスへの視線も通らないと言う事。透は自身を壁とする事で、クリスを守ると同時に視線を遮って彼女を次の行動に繋げたのだ。

 何とかレイアがクリスの攻撃をやり過ごすと、体勢を立て直したハンスが向かってくる。

「こいつッ!!」
〈カメレオン! ゴーッ! カカッ、カッカカッ、カメレオー!〉

 力比べでは勝てないと察したのか、ハンスは戦い方を変えた。姿を消せるカメレオマントを纏い、姿を消しての奇襲攻撃に切り替えたのだ。

 透の目の前で姿を消し、不意を突こうと移動するハンス。

 だが透はクリスと頷き合うと、何を思ったのか彼女のバックアップを受けて大きく飛び上がった。天井近くまで飛び上がった彼をハンスとレイアが目で追っていると、クリスが徐にボーガンを天井近くの透に向け引き金を引いた。

「何だッ!?」
「味方を?」
「えぇっ!?」
「先輩、何をッ!?」

 まさかの透への銃撃に、傍から見ていた切歌と調も目を見開く。

 透は4つの驚愕の視線を受けながら、自身に向けて飛んでくる無数の矢に向けた。そして剣をプロペラの様に回転させると、剣に弾かれた矢が行き先を変えクリスの周囲にランダムに降り注いだ。

 狙いの存在しない、デタラメとしか思えない攻撃。だがそれ故に、ハンスはその攻撃の回避が難しかった。何しろ何処に飛んでくるか分からないのだ。

「うわっ!? ぐっ!? くそっ!?」

 次々と不規則に降り注ぐ矢に、同士討ちと見せかけてからの攻撃により不意を突かれたハンスは反応が遅れその場で防ぐのに必死だった。

 もしこれが最初から弾幕を上から降り注がせてハンスを炙り出そうとクリスが飛び上がったのであれば、彼も察して銃撃の死角に入り込むなり出来ただろう。何よりも透の傍に向かってしまえばそれだけで矢は降ってこない。
 だが2人は微塵も言葉を交わすことなく、ハンスが取るだろう行動を潰して尚且つ相手の虚を突く事で出し抜いて見せた。

 上から状況を見ていたハンスは、レイアが矢を防ぐと同時に何もないところで矢が弾かれていることに気付きそこにハンスが居ると目敏く気付いた。そしてクリスも、透の僅かな視線の動きから姿を消したハンスの居場所を察しそこを狙って避けようのない攻撃をお見舞いする。

「そこだな、テメェッ!!」

 アームドギアをガトリングに変形させて集中的に弾幕を放つ。降り注ぐ矢以上に濃密な弾幕は、ハンスの迷彩を打ち消し姿を現させるほどに強烈であった。

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ?!」
「ハンスッ!?」

 無数の銃弾に撃ち抜かれ、倒れるハンス。レイアはコインの銃撃でクリスを牽制しつつ、倒れたハンスに近付きテレポートジェムを渡した。

「もう十分だ。後は私が派手に1人で立ち回ってみせるから、お前はマスターの元へ」
「くそ……あぁ、達者でな」

 己の限界を察したハンスは、大人しく転移してその場から姿を消した。

 これで残るはレイアのみ。クリスはアームドギアをハンドガンに変形させると、先程は圧倒された近距離での戦闘に移行した。

「またも接近戦を挑んでくるかッ!」

 至近距離から銃撃してくるクリスの懐に入り込み、トンファーを振るうレイア。

 だがそれは、横から差し込むように入ってきた剣により防がれた。

「なっ!?」

 そこに居たのは言うまでも無く透だった。彼は着地すると、僅かな隙間を縫って剣でレイアの攻撃からクリスを守ってみせたのだ。

 攻撃を防がれ、動きを止めたレイアにクリスが銃口を向ける。それを紙一重で回避するレイアだったが、そこに今度は透の斬撃が振り下ろされる。
 トンファーでそれを受け流すレイアだが、そこに透が振るった剣を足場にして跳躍したクリスの飛び蹴りが炸裂。蹴り飛ばされて体勢を崩したレイアに、透は素早く接近すると剣で切り裂こうとした。

「地味に厄介だな、この連携はッ!?」

 解せないのは今の透のスピードである。幾分かスマートとは言え、それでもあんな鎧を上から纏えば普通は速度が落ちるもの。だが今の透は先程と遜色の無い速度で動いている。
 これこそがファントムの力と手を取り合った、透の新たな力……その名も『アーマードメイジ』であった。

 その後も2人は、絶妙な連係でレイアを追い詰めていった。

 透の影からクリスが飛び出しレイアに至近距離から発砲するかと思い身構えれば、透に手を引かれて全く思いもしない方向から銃撃され。

 クリスを狙ってレイアが攻撃すれば、出し抜けにしゃがんだクリスの頭上を透の剣が通り過ぎレイアを両断しようとする。

 言葉一つなく、にも拘らず互いに次の相手の行動が分かっているかのような行動に、レイアは終始圧倒されていた。

 そんな攻防の最中、クリスと透は一瞬目配せする。その一瞬で互いの意志を伝えあうと、透は大振りに剣を振り上げレイアの前に飛び出した。

「派手に隙ありだッ!」

 それはこの攻防の中で、初めて透が見せた大きな隙。そこを見逃すレイアではなく、振り下ろされる剣を弾きお返しに一撃を唯一新たな鎧の無い頭部にお見舞いしようとした。

 この瞬間、レイアは意識を完全に透に持って行かれていた。それが2人の狙いだった。透にばかり目が言っていたレイアは、横合いから迫っていたクリスへの反応に遅れた。

「はっ!?」

 レイアに迫る最中、クリスはアームドギアを大型のライフルに変形させた。この至近距離でそんなライフルを使うのかと目を見開くレイアだったが、クリスは大型のライフルを持ち帰ると思いっきりフルスイングした。

「ライフルをッ!?」

 振るわれたライフルは透の後頭部に迫り、透ごとレイアの頭を殴り抜くかと思われた瞬間、透が頭を下げレイアの頭だけが殴られた。

「殴るんだよッ!!」
[RED HOT BLAZE]

 ライフルを鈍器として使った事、そして何より、透とのコンビネーションによりレイアは見事に頭を殴りぬかれた。

――先輩と後輩の絆も、透との愛も、全部世界がくれたもの……――

――世界は大切なモノを奪うけれど……、大切なモノをくれたりもする……そうかッ!――

 一切の言葉も無く互いに互いを分かり合い、息の合った動きを見せる透とクリス。その心地いい連携の最中、クリスはとても大事な事にようやくたどり着いた。

――パパとママは、少しでも貰えるものを多くする為、歌で平和を……――

 父と母が本当にクリスに伝えたかったこと、それに漸く気付く事が出来た。それに気付かせてくれたのは、大切な後輩達と愛する恋人。

 クリスは自分が世界で1人でない事と、世界はこんなにも素晴らしいのだという事を知りつつこの戦いに決着をつけるべく動いた。

「あああああああああッ!!」
[MEGA DETH FUGA]

 放たれた大型ミサイルの一発を、レイアはトンファーで叩き落す。爆発による炎と煙で視界が遮られる。

「くっ!? 諸共に巻き込むつもりで――ッ!?」

 視界が一切利かなくなり、レイアは動きを止めた。

 だが次の瞬間、何かが高速で吹き飛びその煙と炎がかき消された。何かと思い周囲を見れば、そこには鎧を吹き飛ばし普段の軽装へと戻ったメイジの姿。
 そう、かれは己の身に纏っていた鎧を吹き飛ばす衝撃でクリスの視界を遮っていた邪魔な煙を退かしたのだ。

 視界が晴れた中、動きを止めていたレイアにクリスは残りのミサイルを叩き込む。煙と、そして吹き飛んだ鎧と衝撃により足を止めていたレイアはこれを避ける暇がない。

「…………フ」

 ミサイルが直撃する寸前、レイアは一瞬笑みを浮かべたがその事に気付く者は誰も居ない。

 クリスと透は、後ろから切歌が伸ばしてきたチェーンにより一気に引っ張られていた。彼が敢えて鎧を吹き飛ばしたのは、煙を退かす為であると同時に身軽になって切歌の負担を減らす為でもあった。
 そして2人は切歌に引っ張られ、ミサイルの爆発から逃れていた。だがこのままでは距離が近すぎて、切歌の所まで行っても爆発に巻き込まれる。

 それを防ぐべく、調が丸鋸を周囲に飛ばして隔壁のスイッチを起動させていた。

「――隔壁のスイッチの位置は、覚えてるッ!」

 調の丸鋸によりスイッチが起動し、ギリギリのところで隔壁が閉まりミサイルの爆発から逃れる事が出来た。

 敵を倒し、安全も確保された事でクリスは安堵の溜め息を吐く。

「ふぅ……」
「やったデスッ!」
「即興のコンビネーションで、全く持って無茶苦茶……」

 正直このコンビネーションは本当に賭けであった。何しろロクな打ち合わせも無かったのだ。

 しかしそれを見事に成し遂げてみせた。その事にクリスは誇らしげな顔を2人に向けた。

「その無茶は、頼もしい後輩が居てくれてこそだッ!……ありがとな」

 険しさの抜けた顔で、クリスは切歌と調の手を取り素直に2人に感謝した。何時もの様子のクリスからの、感謝の言葉に切歌と調も嬉しそうな顔になる。
 そして透は、そんな2人の頭を優しく撫でた。言葉が使えない、彼なりの即席の感謝の印である。

「わわっ、ちょ、先輩!」
「むぅ、子供扱いしないで」
「そうじゃねえよ。透も、2人にありがとうって。な?」

 己の言葉を代弁してくれたクリスに、透も頷く事で答えた。クリスと透の様子に、2人も納得したのか抵抗を止めた。

 これで一件落着…………と思っていたのだが、そうは問屋が卸してくれないらしい。

 突如として周囲が揺れ始めたのだ。

「ッ!? なんだ……」
『深淵の竜宮の被害拡大……、クリスちゃん達の位置付近より、圧壊しつつありますッ!」

 どうやら最後の一撃は少々本気になり過ぎてしまったらしい。加減を間違えて、施設が持たないほどのダメージを与えてしまったようだ。
 これだけでも凶報なのに、悪い時には悪い事が立て続けに起こるもの。あおいの報告に続き、朔也からも厄介な報せが届いた。

『この海域に急速接近する巨大な物体を確認ッ! これは――』
『いつかの人型兵器かッ!?』

 接近しつつあるのは、彼らは知らない事だがレイアの妹である巨大なオートスコアラーであった。正面モニターには、本部に接近する巨大なオートスコアラーの姿がはっきりと映し出されている。
 あんなものに取りつかれては、この本部も一溜りも無い。急いでここから離れなければ。

『装者達の脱出状況はッ!?』

 焦る弦十郎だが、こんな時の為の魔法使い。そもそも透がクリス達について行ったのだって、場所柄非常時に即座に逃げ出せるようにする為であった。

「安心しろオッサン! もうとっくに潜航艇まで戻ってる」
「今から本部に戻ります」

 余裕をもって潜航艇に乗り込んだ4人は、即座に崩れつつある深淵の竜宮を離れ本部潜水艦に着艦した。

「潜航艇の着艦を確認ッ!」
「東野村、急速浮上だッ! 減圧を気にせず振り切れッ!」
「アイアイ、サー!」

 東野村の操舵により、本部潜水艦は一気に海面へと浮上した。急激な気圧の変化により、耳鳴りや頭痛に苛まれるクルーが出るがそんなのは完全に無視だ。

 そして飛び出す様に海面から顔を出し、太陽が正面モニターに映し出される。

 それと同時に、海面から巨大オートスコアラーが姿を現した。

「ッ!? やっばい!?」

 危険を察し、東野村は咄嗟に舵を切った。それが幸いし、巨大オートスコアラーが振り下ろしてきた巨椀は海面を打つだけに留まった。

 目標を仕留めそこない、苛立ったような視線を本部潜水艦に向ける巨大オートスコアラー。

 その顔面に、巨大な拳が叩き付けられた。

「ッ!?」
「やれやれ、こんなデカ物の相手は俺らの専門外じゃねえのか?」

 巨大オートスコアラーを殴ったのはハリケーンドラゴンのウィザードに変身した颯人だった。ビッグの魔法で腕を巨大化させ、それで巨大オートスコアラーを殴ったのだ。

「まぁいい、仕込みはもう十分。そろそろお披露目に向けて準備させてもらうぜ」
〈チョーイイネ! キックストライク、サイコー!〉

 空中に飛び、巨大オートスコアラーの頭部に向けストライクウィザードを放つ。頭を殴られて体勢を崩していた巨大オートスコアラーには、この攻撃を回避も防御もする余裕が無い。

「ハァァァァァァァッ!!」

 颯人の一撃が巨大オートスコアラーの頭部を粉砕し、海の底へと押し戻す。

 これで漸く、全てのオートスコアラーの討伐を成し遂げたのであった。

「さって、最後の仕上げの前に……一仕事しないとな」 
 

 
後書き
という訳で第135話でした。

魔法使い勢で最初に修行の成果を見せたのは透でした。以前は攻撃力と防御力を引き上げる代わりに、それまでの持ち味を殺してしまっていた強化形態。それを透に合わせて最適化したアーマードメイジとなります。このアーマーも自由に着脱できるので、好きなタイミングでキャストオフする事が出来ます。

何気に久々な登場の東野村。今後も乗り物が関わる出来事には積極的に関わらせていきたい。

執筆の糧となりますので、感想評価その他よろしくお願いします!

次回の更新もお楽しみに!それでは。 
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