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星河の覇皇

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第八十二部第四章 破竹の進撃その二十四

「何ていうかな」
「世知辛いよな」
「このサハラは違うらしいけれどな」
「ずっと戦争しててな」
 それでというのだ。
「兵器は必要でな」
「どんどん製造されてな」
「その傍から沈められて壊されて」
「すげえ消費されるからな」
「連合以上には儲かって」
「それなりに企業も多いみたいだな」
「サハラだと」
 ここではというのだ。
「どうもな」
「そこは違うんだな」
「戦争が多いとな」
「軍需産業も採算取れるのか?」
「それって結構やばいと思うけれどな」
「戦争で儲ける奴がるとかな」
「そうした話にもなるからな」
 それでというのだ。
「サハラはサハラだけれどな」
「連合じゃないけれどな」
「この国も平和になって欲しいな」
「そうした社会よりな」
 こうした話もするのだった、そして次の日彼等は実際にサハラの将兵達の食堂に行ってその食事をご馳走になりレーションも貰った、そうして。
 食堂でそのレーションを食べていると一等軍曹の階級章を青い連合軍の下士官や兵士達の作業服を着た女が彼等に言ってきた。
「それはうちのレーションじゃないな」
「はい、オムダーマン軍のレーションです」
「貰ってきました」
「もっと言えば買ってきました」
「それで試しに食ってます」
「さっきはあっちの食堂でオムダーマン軍の昼食食ってました」
「やっぱりお金払って」 
 そうしてとだ、兵士達は軍曹の女に話した。
「そうしました」
「それで今こうしてあっちのレーション食ってます」
「そうしています」
「まずいだろ」
 女ははっきりと言った、見ればそろそろ肉が付いてきているがわりかし整った顔立ちの黒人の女である。
「あっちのレーションは」
「ええ、確かに」
「お世辞にもです」
「美味いとは言えないですね」
「味付けは貧弱で」
「舌触りは歯触りも悪くて」 
 具体的な味の話もするのだった。
「メニューも少なくて」
「量も少ないですね」
「普通の食事もでしたけれど」
「こっちの方も」
 レーションもというのだ。
「どうにも」
「まずいですね」
「本当に」
「噂通りですね」
「相当に」
「私も前に食べたが」
 軍曹もだった。
「実際にな」
「まずかったんですね」
「軍曹が食べても」
「そうだったんですね」
「だから今も言っている」
 テーブルにいる彼等の傍に立ったままだった、軍曹の女は話した。そうしてそのうえでクールに言うのだった。 
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