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オズのボームさん

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第九幕その七

「そこがオズの国と違うよ」
「オズの国はお伽の国だから」
「すぐに閃くね」
「ええ、九十九パーセントの努力があったら」
「すぐにね」
「そうよね」
「ただ九十九パーセントの努力は外の世界でも必要だよ」
 ボームさんはこうも言いました。
「何処でもね」
「それはそうね」
「閃きだけでは」
 一パーセントのです。
「それだけではね」
「そうよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「まずはね」
「努力をしないとね」
「実らないわね」
「何でもね」
「それはオズの国でもよね」
「努力しないと何にもならないね」
「ええ、本当にね」 
 オズマもその通りだと答えました。
「それはね」
「だからだよ」
「努力することね」
「うん、努力をしなかったら」
「何もならないわね」
「何処でもね」 
 外の世界でもオズの国でもというのです。
「同じだよ」
「ええ、モーツァルトさんもよね」 
 ドロシーは今はオズの国で作曲を楽しんでいる人のお話をしました、音楽を離れるととても陽気で無邪気で公平な人です。
「いつも努力をしているわね」
「あの人は作曲をしていないと苦しいって言ってるわ」
 トロットがドロシーに言ってきました。
「それでよ」
「いつも作曲しているわね」
「だからもうね」
「ピアノの席に座って」
「作曲に専念しているわ」
「一日中でも」 
 まさにというのです。
「あの人は」
「あれこそ努力ね」
 ベッツイも言いました。
「九十九パーセントの」
「モーツァルトさんは外の世界でも天才だったけれど」
 ボームさんはドロシー達にも言いました。
「まずいつもね」
「作曲をしていて」
「九十九パーセントの努力を行っていた」
「そうだったのね」
「いや、作曲していないと苦しいっていう位音楽に打ち込んでいたら」 
 それならというのです。
「九十九パーセント以上かな」
「百パーセントを超えているかもね」
 かかしも言いました。
「そこまでだとね」
「そうだね、この世界でもモーツァルトさんは放っておいたら何日でもぶっ続けで作曲をするから」
 樵はかかしの言葉に頷きました。
「それを見たらね」
「楽しんでいるにしても」
 キャプテンも思いました、皆お仕事をしながらもです。
 壁の外の景色を見てです、そうしながらお話をするのでした。土の中の生きもの達はそれぞれ幸せに過ごして動いています。
「物凄いことだよ」
「あの努力はね」
 まさにと言うボームさんでした。
「百二十パーセントだよ」
「九十九パーセントを超えた努力」
 モジャボロは唸りました。 
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