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あからさまな不審者

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第二章

「あの人達何?」
「黒髪ロンゲの女の人三人?」
「傍に赤い車停まってるけど」
「あの車あの人達のかしら」
「ここ神戸なのに岐阜ナンバーって」
「真夏なのにトレンチコートでズボンって」
「滅茶苦茶怪しいわね」
 夕暮れの中にいる三人を見て話した。
「何者?」
「あからさまに怪しいでしょ」
「どう見ても不審者よね」
「そうよね」
「あの人達あれでしょ」
 だがここで明音が言った。
「口裂け女でしょ」
「あれっ、そうなの」
「うちの学校の校門の前に出る」
「あの妖怪なの」
「そうなの」
「何でもね」
 明音は驚く部活仲間達にさらに話した。
「口裂け女のお話は岐阜県から出て」
「そうだったの」
「あそこからだったの」
「三人姉妹で赤い車に乗るって話があるから」
 この話もするのだった。
「外見はそのままだし」
「そうね、校門に出るっていう」
「まんまの恰好ね」
「それじゃあね」
「今は駅前にいるのね」
「どうして駅前に三人でいるかはわからないけれど」
 それでもとだ、明音はさらに話した。
「とりあえずね」
「通報することはないのね」
「不審者じゃなくて妖怪だから」
「それでなのね」
「ええ、見て」
 観ればだ、その三人は。
 傍に停まっている車に入って八条学園の方に行った、明音はそれを見て部活仲間達に微笑んで話した。
「牛丼食べに来ただけみたいね」
「そうみたいね」
「何かって思ったら」
「それだけね」
「妖怪も何もしないならいいし」
 別にというのだ。
「だからね、怪しいと思っても」
「迂闊に通報しない」
「相手にも迷惑がかかるから」
「それでなのね」
「警察も無駄に動くことになるしね」
 このこともあってというのだ。
「見極めないとね」
「そういうことね」
「私達も気をつけるわ」
「これからはね」
 部活仲間達は明音の言葉に納得した顔で頷いた、そうして駅からそれぞれの家に帰った。明音もそうして家では笑顔で過ごした。


あからさまな不審者   完


                    2022・11・21 
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