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コックニーなんてわかるか

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第二章

「キングスイングリッシュとかガーターイングリッシュとか言われても」
「わからないの」
「まだそこまでいかないの」
「そこまではわかるのよ」
 この二つの言葉の違いはというのだ。
「そこまではね、ただコックニーはね」
「ロンドンのダウンタウンの言葉よね」
「そうした言葉もあるのよね」
「一回聞いたけれど」
 それでもとだ、瞳は友人達に話した。
「これがね」
「わからなかったのね」
「そうだったの」
「何を言ってるか」
 それこそというのだ。
「わからない位なのよ」
「そんなに違うのね」
「同じ英語でも」
「日本語の方言の違いもかなりだけれど」
「そうなの、コックニーがわかる様になれば」
 瞳は言い切った。
「本物かもね」
「英語について」
「そう言えるのね」
「コックニーまでわかれば」
「そうかもって思ったわ、だからこれからもね」
 瞳は友人達にさらに話した。
「英語勉強していくわ」
「話せて聞いてわかって書ける様になっても」
「それでもなのね」
「ええ、それからもね」
 こう言ってだった。
 瞳は留学から帰っても英語を学び続けやがて翻訳家になった、だがそれでも周りにこう言うのだった。
「英語も方言があって国によって違うのよ」
「同じじゃないですか」
「同じ英語でも」
「それで特にコックニーはね」 
 この言葉というのだ。
「わかりにくいから」
「勉強が必要ですか」
「そうした言葉なんですね」
「そう、今も勉強してるわ」 
 こう言ってだった。
 仕事をしつつ勉強を続けた、そのうえで周りに話すのだった。


コックニーなんてわかるか   完


                   2022・11・19 
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