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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝

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第27話 楽進

旅の仲間に揚羽が加わり、私達は孝敬里を立ちました。

揚羽の馬は、涼州産馬ではありませんが、なかなかの駿馬でした。

揚羽が乗馬する時、心配しましたが杞憂に終わりました。

以外にも揚羽は乗馬が上手かったのです。

揚羽にそのことを告げると、揚羽は笑っていました。

揚羽は日中は引きこもりですが、夜な夜な馬に乗って遠出していたそうです。

揚羽曰く、気分転換だそうです。

特攻服を来ている揚羽の姿を想像しました。

髪を上げたら似合うなと一瞬思ったことは内緒です。

揚羽の母である司馬防殿は私に感謝し、凄く喜んでいました。

理由は言うまでもなく、揚羽の引きこもりが解消したことです。

『婚礼の日取りが決まりましたらお知らせください』

司馬防殿にこのことを言われたときは、ドキッとしました。

司馬防殿に話を聞くと、揚羽が私の妻になることを話したそうです。

私は司馬防殿にそのときは改めてご挨拶に伺いますと言いました。





10日位掛けて、司隷州の河内郡を抜け、冀州の陽平郡を目指しています。

冀州に入ると途端に、賊と遭遇する機会が増えました。

私が賊に遅れを取ることなど、ある訳がありません。

襲撃してきた賊はほぼ殲滅しました。

賊達に恐怖を与える為に、敢えて惨たらしく殺して、賊の何人かは半殺しにした上で見逃しました。

目的地への道すがら立ち寄った村が賊に襲撃されていたことも幾度となくありました。

もちろん賊達には、私の手で地獄を見せてやりました。

命乞いをしてくる賊が多かったですが、無慈悲に双天戟で串刺しにして上げました。

振雷・零式で賊を焼き払ったりもしました。

お陰で、大仰な異名が増えていました。

「地獄の獄吏」と呼ばれています。

この前、私が巷の「地獄の獄吏」と呼ばれている人物と知ると、村人から手厚い持てなしをうけました。

私は、前世が小市民なので、その持て成しに恐縮してしまい、宿賃を少し多く村人に渡しました。

それが逆に、私の風聞をより大きくしているようでした。

「正宗様、この際なので聞いてもよろしいですか?」

物思いに耽っていた私に、麗羽が突然話しかけてきました。

「麗羽、なんだい?」

「後、何人の人物を仕官させようと考えていますの?」

「計画では4人だよ。1人はこれから向かう衛国に住んでいる楽進。エン州泰山郡鉅平県の于禁。そして、エン州山陽郡鉅野県の李典。青州東莱郡黄県の太史慈。これで全てだよ。実際にそこに住んでいるかはわからないけど・・・。当てがないよりましだろ」

「正宗様。その者達は文官、武官いずれで待遇するつもりでございますか?」

揚羽が私にこれから探す4人をどう待遇するのかと聞いてきた。

「基本4人とも武官だよ。李典に関しては、工房を任せるつもりだよ」

「工房ですか?」

揚羽が疑問の顔を私に向ける。

「ああ、李典には武器工房を任せるつもりだ」

「その李典はどのような人物なのですの?」

麗羽が李典のことを聞いてきました。

「李典は便利なものを開発することの天才なんだ。その中で、私が一番期待しているのは武器開発だよ」

「武器ですの。・・・例の物に関係ありますの?」

麗羽は私の荷物袋を見て私に言いました。

「ああ、そうだよ」

「正宗様、例の物とは?」

揚羽が麗羽がいう「例の物」という言葉に飛びついてきました。

「揚羽にもおいおい見せるよ。この場では見せれない」

私は声を小さくして、揚羽に言いました。

揚羽は私の言葉から、何か察したようで、それ以上何も言いませんでした。

恋姫の原作に置いて、李典の技術力の高さは判っています。

李典の技術力はチートです。

李典が仲間になれば、火縄銃の性能アップ、大量生産も夢ではないです。

武器開発工房や諜報部隊の本拠地を隠れ里みたいな場所に作るのが夢です。

隠れ里の候補はまだ考えていないです。

これから麗羽と揚羽と一緒に考えていけばいいです。

その後も、私達は賊退治をしながら、目的地に向かいました。





この村が楽進の出身地のはずなのですが・・・。

随分、荒れています。

私達はすぐ村の中に入らず、外から村の様子を伺いました。

建物や外壁の壊れ方からして、災害とかではないと思います。

多分、賊の襲撃を受けたのでしょう。

本当にいつ見ても嫌な気持ちになります。

この村は賊に襲撃されてから、まだ、それ程日は立っていないです。

私達は楽進が住んでいる衛国に来たのですが、この有様です。

楽進は居るんでしょうか?

考えるだけ無駄だと思った私は、人を探すことにしました。

「アニキ、みんなで手分けして探そうぜ!」

猪々子が元気良く言ってきました。

普通はそうしますが、この村は賊の襲撃を受けた場所です。

賊が近くに絶対いないとも限らないので、集団行動を取った方がいいでしょう。

「駄目だ、賊が近くにいないとも限らないから、皆で行動しよう」

「ふーーーん、まあ、アニキが言うならそうするよ」

「生存者を探しましょう」

「そうですわね」

私達が村の中に入ると、1人の人物が近づいてきました。

銀髪で体中に傷があります。

私はその人物が楽進だと気付きました。

居てくれて安心しました。

「旅のお方、この村から直ぐ離れられた方がよろしいです。この村は、いつ賊の襲撃を受けるか判りません」

楽進は私達に言ってきました。

「賊ですか?尚更この村を立つ訳にはいかない」

私は馬から降りると、楽進の前に近づきました。

「そうですわ。賊如き正宗様が退治してくださいますわ」

「アニキに任せておけば大丈夫だって!」

「そうですよ。正宗様にお任せすれば問題ないです」

「正宗様が関わる段階で、賊が哀れに感じますね」

「あのあなた方は何者なのですか?」

賊の襲撃の話をしても、落ち着いている私達に楽進は不思議そうに聞いてきました。

「私は劉ヨウ」

私が自分の名を名乗ろうとしたら、麗羽に遮られました。

「オーーーホホホホ、この正宗様こそ、巷で『地獄の獄吏』と呼ばれている方ですのよ」

麗羽さん、それを止めてくれません。

そうです。

私の異名が急速に広がった理由は、行く先々で、麗羽がこうやって派手に宣伝するからです。

麗羽に言わせれば、せっかく頑張っているのですから、知って貰わなければ損だそうです。

「『地獄の獄吏』!もしかして、賊達が恐怖する『地獄の獄吏』と呼ばれている劉ヨウ様ですか?」

地獄の獄吏ー

その異名が随分広がっているみたいです。

「地獄の獄吏」なんて危険人物みたいな異名で呼ばれるくらいなら、「山陽郡の麒麟児」と呼ばれる方がいいです。

「あの『地獄の獄吏』というのは有名なんですか?」

私はその異名がどれだけ有名になっているのか、楽進に質問をしました。

「はい!劉ヨウ様が悪事を行った賊達に罰を与えて殺していると村々の人々は口々に言っています」

楽進は目をキラキラと輝かせて私を見ています。

変身ヒーローに憧れる子供みたいです。

その視線は私には辛いので、勘弁してください。

「それで、あなたのことは何と呼べばいいかな?」

これ以上、楽進の視線に耐えれそうになかった私は、楽進に名前を聞きました。

「申し訳ありません。私は楽進、字は文謙です」

「楽進殿、それでこの村には今何人くらい居るんだい」

「だいたい300人位です。その内60人位は負傷者です」

楽進は悔しそうな表情で、拳を強く握り絞めていました。

「傷の程度によるけど、私が治療するよ」

私のチート能力を使えば、傷は立ちどころに癒えます。

失った腕を再生とかは無理ですけど、切断した腕があれば引っ付けるのは問題ないです。

「劉ヨウ様、本当ですか!」

楽進は私に詰め寄ってきました。

「嘘を言ってもしょうがないでしょ。早く、怪我人のところに案内してくれないか」

「申し訳ありませんでした!こちらです!」

楽進は謝罪し、私を村の奥に案内しました。
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楽進、于禁、李典、太史慈で劉ヨウ四天王とか変でしょうか?
本音いうと楽進を親衛隊長、于禁、李典を後方支援部隊の隊長にして、徳、高順、徐晃、太史慈で四天王にしたいです。
徳は現実的に厳しいですよね。
少なくとも涼州が曹操の手に落ちでもしないと引き抜き難しそうです。
史実、三国志において忠義の人ですもんね。
 
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