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オズのボームさん

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第七幕その二

「本当にね」
「あらゆる不思議に満ちていて」
「只でさえ楽しいことがもっと楽しくなる」
「そんなことばかりだよ」
「全くだね」
「見て見て」 
 つぎはぎ娘が陽気に言ってきました、見ればです。
 壁を歩いています、天井から壁に入り床にまでです。
 モップをかけていきます、そうして言うのでした。
「こんなことも出来るわ」
「凄いね、一周したね」
「ええ、魔法の道具を使えばね」
 一緒にモップをかけているジャックにお話します。
「こうしたこともよ」
「出来るんだね」
「そうよ、まさにこれこそがね」
 つぎはぎ娘は朗らかに踊りながらお掃除をして言うのでした。
「オズの国よ」
「不思議に満ちているね」
「外の世界で起きない様なことがね」
「何でも起きるね」
「そうなのよ」
「これはーーです」
 チクタクは本を奇麗にしつつ言いました。
「忍者ーーですーーね」
「十勇士の人達よね」
「はいーー忍術ーーでは」
 チクタクはさらに言いました。
「壁歩きーーもーー出来ますーーね」
「あの人達はね」
「ですーーから」
「あたし今忍者みたいなのね」
「そうーー思いーーます」
「それはいいわね、あたし忍者好きなのよ」
 つぎはぎ娘はチクタクの言葉にお掃除をしつつ言いました。
「煙でどろんどろんって消えたり手裏剣シュシュシュッてね」
「恰好いいわね」
「ええ、物凄くね」
 ビリーナにも応えます。
「あんたもそう思うでしょ」
「思うわ、飛ぶみたいにジャンプしてね」
「むささびの術や大凧で実際に飛ぶしね」
「それで水蜘蛛でお水の上歩いてね」
「水遁の術でお水の中に隠れて」
「泳ぎも達者でね」
「忍術を使えばね」
 エリカも言います。
「もう何でも出来る」
「ええ、魔法みたいにね」
 ビリーナはエリカにも応えました。
「体術も凄いし」
「もう超人よね」
「忍者の人達はね」
「忍者屋敷なんて素敵よね」
 ガラスの猫はこちらのお話もしました。
「もう面白いからくりだらけで」
「隠れたり逃げたりね」
「びっくり箱みたいね」
「あんな場所にも住みたいわね」
 つぎはぎ娘は壁を歩きつつ言いました、本当に忍者のそれみたいです。
「飽きないわよ」
「畳返しとか出来てね」
「そうしたことも出来てね」
「幸村さんはお侍さんだけれど」
 それでもとです、ハンクは本を運びつつ言いました。
「あの人忍術も凄いんだよね」
「あの人は武芸十八般を極めているからね」
 一緒に本を運んでいる木挽きの馬が応えました。 
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