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結婚式は面倒でも

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第一章

                結婚式は面倒でも
 松坂琴乃は婚約者の蓑田勝と結婚することにした、それでだった。
 結婚の為の準備を進めていった、だが。
 その中でだ、勝はこんなことを言った。丸顔で細い目と眉にやや大きな口を持っている。黒髪はスポーツ刈りで一七五位のやや太った身体をしている。
「結婚式はいいか」
「一番すべきじゃないの?」 
 琴乃はこう返した、顎の先が尖った細面で形のいい眉を持っている。長い黒髪をセットしていて整った目鼻立ちをしており背は一六四位で見事なスタイルをしている。勝は飲食店の店長で琴乃はスーパーの店員だ。勝の店が琴乃が務めるスーパーと同じ建物の中にありそれが縁で知り合って結婚に至ったのだ。
 二人はもう同棲していてそうしているマンションの中で話していた。
「やっぱり」
「俺も最初そう思っていたんだけれど」
 勝は腕を組んで難しい顔で話した。
「けれどね」
「それでもなの」
「ああ、あんまりにもな」
 それこそというのだ。
「ごちゃごちゃしているからな」
「結婚式は」
「こんなのだよ」
 ここで結婚式のパンフレットを出して琴乃に見せた、琴乃がそれを受け取って開いて中身を読みはじめたことを確認してさらに話した。
「結婚式って」
「ウェディングとか呼ぶ人とか」
「お食事とか席とかな」
「何かとなの」
「決めてな」
 そうしてというのだ。
「お花なり何なり」
「あと式の中で何をするかも」
「その順番も決めてな」
「やっていくから」
「こんなのだからな」
 それでというのだ。
「やらなくていいんじゃないかって」
「思ってるの」
「どうだろうか」
「けれど折角結婚するんだし」
 琴乃は難しい顔になっている勝に話した。
「だからね」
「すべきか」
「そうじゃないかしら」
「やっぱりその方がいいか?」
「私はそう思うけれど」
「どうしたものかな」
「ここはね」
 琴乃はさらに話した。
「もうお金のことを考えて」
「それでか」
「全部式場の方にお任せしたらいいのよ」
「そちらにか」
「私達他にもやること多いしね」
 結婚に向けてというのだ。
「だからね」
「それでか」
「そう、どうかしら」
「呼ぶ人はどうする?」
「もうそれはそれぞれのお父さんとお母さんにお話して」
 両親達にというのだ。 
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