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REVERSION

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第一章

               REVERSION
 ある漫画を読んだ、それは恋人や大切な人を救う為に過去に何度も戻ってやりなおしていくという話だ。
 私はその漫画を読んで貸してくれた妹に言った。
「こうしてやり直せたらね」
「人生いいわよね」
「そう思ったわ」 
 その漫画を読んでだ。
「今は普通のOLをしているけれど」
「別の人生を歩めたら」
「そう思うわ、あと何かと後悔していることもね」
 私個人としてだ。
「出来ればね」
「やり直したいのね」
「そう、逆戻り出来たら」
 人生をだ。
「そうしたいということがね」
「お姉ちゃんにはあるのね」
「あんたもでしょ」
 妹の言葉にそっくりそのまま返した。
「そうでしょ」
「それはね」
 妹も否定しなかった。
「そう言われると」
「やっぱりそうよね」
「人間生きてたらあるわよ」
 妹の返事は素っ気ないものだった。
「誰だってね」
「そうよね」
「後悔しない人間なんていないから」
「生きていたら」
「一度も後悔したことのない人なんてね」
 それこそというのだ。
「一人もよ」
「いないわね」
「どんな人もね」
「後悔はあって」
「やり直したいことはね」
「絶対にあるのね」
「そう、だから戻れるなら」
 過去にというのだ。
「したい人は誰もがでしょ」
「生きていたら」
「そう、それでね」
 妹もその漫画を読んでいる、そのうえで私に言ってきた。今はリビングで姉妹二人で仕事を終えて家に帰ってくつろいだ服でそうしている。二人共大学を卒業して今は朝から晩まで働いている。
「そうしたことを言ったらね」
「皆そうね」
「だからこうしたやり直し系の漫画とかはね」
「人気があるのね」
「小説でもね、けれど実際はどうか」
「出来ないわね」
「そうよ、ただね」
 ここで妹は私にこうも言った。 
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