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ウルトラマンカイナ

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暗躍編 ウルトラレディーズファイト

 
前書き
◇今話の登場ヒロイン

◇シャーロット
 かつてBURK惑星調査隊に参加していた女性科学者であり、現在はドイツ支部の最新設備を借りてとある研究に注力している。ウェーブが掛かったプラチナブランドのボブヘアーが特徴の、妖艶にして蠱惑的な美女。27歳。
 スリーサイズはバスト115cm、ウエスト65cm、ヒップ98cm。カップサイズはM。

◇ヴィルヘルミーナ・ユスティーナ・ヨハンナ・ルーデル
 BURK惑星調査隊にも参加していたドイツ支部出身のエースパイロット。腰まで届く黒い長髪を纏めたポニーテールが特徴であり、蒼氷色の瞳と白い爆乳の持ち主。19歳。
 スリーサイズはバスト100cm、ウエスト76.2cm、ヒップ88cm。カップサイズはF。
 ※原案はG-20先生。

劉静(リウジン)
 BURK中国支部から惑星調査隊に参加していた爆撃機隊の女性パイロットであり、ボーイッシュな顔立ちと紺髪金眼が特徴。22歳。
 スリーサイズはバスト94cm、ウエスト60cm、ヒップ91cm。カップサイズはG。
 ※原案は俊泊先生。



 

 
 ――ウルトラアキレスが暁嵐真(あかつきらんま)と一体化し、この地球を守護するべく怪獣や宇宙人達との戦いを始めてから、半年以上が過ぎる頃。
 ハドソン川の戦いを経て全米からの支持を得るようになった真紅の巨人は、地球の救世主たる絶対的ヒーローとして、その名声を一身に集めるようになっていた。

 そんな中、BURKドイツ支部のベルリン基地に籍を移していたシャーロット博士は――地下深くの研究施設にて、とある「女傑達」との再会を果たしていた。

「……それは正気で仰っているのでしょうか、シャーロット博士」
「返答次第では……僕達でも容赦は出来ませんよ」

 久方振りに顔を合わせた「戦友」に対する態度とは思えない、殺気に満ちた眼差し。
 その眼光でシャーロット博士の背を射抜いているのは、元惑星調査隊メンバーの女性パイロット――ヴィルヘルミーナ・ユスティーナ・ヨハンナ・ルーデル隊員と。教導のためベルリン基地に訪れていた、中国支部の劉静(リウジン)隊員であった。

 上官にして幼馴染でもあるリーゼロッテと共に、ベルリンの空を宇宙戦闘機「BURKセイバー」で守り抜いて来たヴィルヘルミーナ。現役爆撃機「BURK風龍(ファンロン)」を駆り、上海(シャンハイ)基地を拠点に各地を転戦している劉静。
 そんな女傑達は今、ホピス星で共に戦った戦友とも言えるシャーロットに対し、冷たい「怒り」を露わにしている。

 ヴィルヘルミーナの特殊戦闘服を内側から押し上げる100cmの爆乳と、レオタード状のスーツに深く食い込んだ88cmの巨尻が、一歩踏み出す度にどたぷんっと躍動する。蒼氷色の知的な眼差しに対し、その女体から漂う色香は暴力的ですらあった。
 腰まで届く漆黒のポニーテールと、白く瑞々しいその柔肌。そしてぷっくりとした艶やかな唇からは、雄の情欲を掻き立てる女の芳香が滲み出ていた。その豊穣な実りを味わい尽くしたい、と猛る男性隊員達は後を絶たないと言われている。

 中性的な美貌と男性的な立ち振舞いから「中国支部の王子様」とも呼ばれ、女性隊員達から絶大な人気を博している劉静も――その戦闘服にぴっちりと密着したボディラインで、己の肉体が紛れもなく「女」であることを示していた。94cmの爆乳はたわわに揺れ動き、91cmの白い巨尻はレオタード状の戦闘服に深く食い込んでいる。
 M字バングに近しい紺髪のショートヘアと、怜悧な金色の瞳はまさしく「王子様」のようであるが、その凹凸の激しい肉体は雄の情欲を掻き立てる「女」そのものであった。引き締まった腰に対して、豊穣に膨らんでいる乳房と臀部。そして白い柔肌に滲む甘い芳香は女性のみならず、男性隊員達の理性も幾度となく狂わせてきたらしい。

「その指摘は尤もだわ。正気では考え付かないことでしょうね、私がやろうとしていることなんて」

 蒼氷色と金色の鋭い眼に背中を刺されながらも、当のシャーロットは何食わぬ顔で眼前のコンピューターと向き合っている。
 夥しい数のコンピューターや書類が積み重なっているこの研究室は、モニターの発光だけが灯りとなっている薄暗い牢獄のようであった。

「それにしても、さすがは世界随一の科学力を誇るドイツ支部だわ。私の『研究』がこれほど捗ってるのも、ひとえにここの最新設備のおかげね。この基地の設備がオーストラリア支部にもあれば、荒島隊員と叶隊員に造らせたBURKセブンガーの設計も、より早く済んでいたのに……」
「……オーストラリア支部に所属していたあなたが、わざわざこのベルリン基地に異動して来たのも……その『研究』を完成させるためだったのですね」
「BURK風龍を遥かに凌ぐという、新型爆撃機の基礎設計を引き受けたのも……僕達に恩でも売って、見逃して貰うのが目的だったのですか?」
「ふふっ……そうねぇ。それで見逃して貰える程度の『業』なら、私ももっと気楽にやれたのかも知れないわね」

 自身の背後で拳を震わせ、怒りに身を焦がしているヴィルヘルミーナと劉静を一瞥しながら。プラチナブランドのボブヘアーを掻き上げるシャーロットは、おもむろに白くむっちりとした脚を組み替えていた。
 その弾みでMカップの白い爆乳がぷるんと揺れ動き、ミニスカートの下に隠されていた際どいパンティが僅かに覗いている。彼女の熟れた極上の肉体から漂う芳香は、すでにこの殺風景な研究室を甘い香りで満たしていた。

 雄の本能を激しく揺さぶる蠱惑的な爆乳と、安産型の巨尻を持つ美女達の匂いは、この部屋全体をむわりと包み込んでいる。彼女達の豊満な肉体とその貞操を常日頃から狙っている男性隊員達がこの場にいれば、即座に冷静さを失っていたことだろう。
 そんな暴力的な色香とは裏腹な、怜悧な眼差しで――2人と向き直ったシャーロットは、その知的な瞳をスゥッと細めていた。椅子を回転させた弾みで、再び彼女の爆乳がばるんっと躍動する。各国支部の男性隊員達や高官達が目を付け、いつか必ず手に入れてやると息巻いている115cmの乳房が、僅かな身動ぎ一つでゆさゆさと揺れ動いていた。彼らに何度も狙われた98cmの白い桃尻も、椅子に押し付けられむにゅりといやらしく形を変えている。

「ホピス星に現れた12人のウルトラマンから発せられていた、特有の脳波。その波形を解析したこのデータを使えば、彼らの『信号』――即ち『ウルトラサイン』を人工的に再現することが出来る」
「それを使ってウルトラマンを捕獲し、あわよくば生体兵器に……?」
「そのような所業、僕個人としてもBURK隊員としても、決して許してはおけません」

 彼女がこれから造り出そうとしている、新兵器。その「実態」を本人の口から聞かされたヴィルヘルミーナと劉静は、人の道から逸脱している彼女の「計画」に、BURK隊員としての義憤を燃やしている。

「……それが『正しい』反応よ。ルーデル隊員、劉静隊員。やはり、あなた達2人を選んだ私の目に狂いはなかったようね」
「何を……言っているのですか」

 だが、シャーロット自身はそんなヴィルヘルミーナと劉静の態度を、むしろ歓迎しているようであった。
 得体の知れない女科学者の微笑に2人の女傑は顔を見合わせ、眉を顰めている。扇情的な唇から漏れる甘い吐息は、同性の彼女達すらどきりとさせていた。

「聡いあなた達なら、すでに理解していることでしょう? その怒りを燃やしている『正しさ』では、あの星を滅ぼした元凶に勝つことは出来ない。『正しいまま』でこの地球を守り抜くには、人類はまだあまりにも幼い。例え、ウルトラマンが付いているとしてもね」
「……それは今、あなたのような人間も含めたこの星の人類全てを守ろうとしている、ウルトラアキレスへの冒涜です」
「そして……あなたの造る兵器を信じてきた、仲間達への裏切りです」
「そうね、その通りだわ。……だからこそ、あなた達のような『正しい人間』が必要なのよ」

 自分に対して敵意を露わにするヴィルヘルミーナと劉静。そんな彼女達の根底にある「正義感」こそが必要なのだと、シャーロットは静かに、そして力強く訴える。

 この研究室を照らしている無数のモニターの中にはごく一般的なテレビも紛れており、そこではウルトラアキレスが怪獣と戦っているニュース映像が中継で流されていた。「ミイラ怪獣」の異名を取るドドンゴの背に跨ったアキレスは、その頭上から一方的にチョップの連打を見舞っている。
 すでに彼の実力は、一流のウルトラ戦士と呼んでも差し支えない域に達しているのだろう。だがシャーロットはそれでもまだ、地球に迫ろうとしている「脅威」を排除するには遠く及ばないのだと「分析」していた。

「私の『過ち』を正しく理解し、それを許せないと正しく怒ることが出来る。……私はそんな人間にこそ、全てが終わった先の未来を導いて欲しいの」
「全てが終わるまで……僕達に、指を咥えてあなたの所業を見ていろ、とでも?」
「弘原海隊長や駒門隊員では出来ないことでしょう? 彼らも決して鈍いわけではないけれど……あなた達ほど、『大局』が見えているわけではないもの」

 それは決して、許容出来る発言ではなかった。仲間を愚弄するようなシャーロットの物言いに、冷酷な殺意を駆り立てられたヴィルヘルミーナと劉静は、鋭い激情に身を委ねるようにホルスターからBURKガンを引き抜く。

 そして。テレビの中継映像に映されているアキレスが、イーリアショットの一閃でドドンゴを粉砕した瞬間。
 ヴィルヘルミーナと劉静は躊躇うことなく――引き金を、引くのだった。発砲の瞬間、2人の白く豊穣な爆乳と巨尻がどたぷんっと揺れ動く。

「……無礼(なめ)られたものですね。我々はあなたの思想に共感などしていなければ、理解を示した覚えもない」

 その銃口から放たれた二つの熱線は、白く艶やかなシャーロットの脚――の間近に着弾していた。だが、足元に光線銃を撃ち込まれても女科学者は全く動じていない。
 2人が銃を抜くことも、自分を殺すことまでは出来ないということも、全て理解しているかのような貌であった。

 決して許しはしない。だが、その言い分を理解出来ないわけではない。だからこそ「理解」を示すのではなく、「利用」することに決めた。
 それが、ヴィルヘルミーナと劉静が下した決断であった。そしてそれは、シャーロットの思惑通りでもあったのである。

「ただ、その『信念』を汲むだけのことです」
「あなたの『業』を、赦すつもりはありません」
「結構よ、それで」



 蠱惑的な微笑を崩さない女科学者に対して。その真意を知った女傑達の貌は、どこまでも冷たかった。

 ◇

 ――その後、人工ウルトラサイン発信装置「イカロスの太陽」は実証試験に成功。

 だが試験の成果を受けて、実用化が検討され始めた直後。ヴィルヘルミーナと劉静の告発によって、その悪辣さが露呈した運用計画は凍結。
 ほどなくして、開発責任者のシャーロットはBURKそのものから追放されてしまうのだった。彼女の白く扇情的な肉体に執着し、殺すには惜しいと声を上げた高官達が居なければ――その頭脳を危険視され、即座に暗殺されていたことだろう。

 しかし、シャーロット自身にとってはそれすらも「シナリオ通り」だったのである。
 2人に告発される直前、発信装置の本体をドイツ支部から日本支部に移していたため、「イカロスの太陽」はそのまま日本支部の管轄下で封印されることになったのだ。

 ウルトラマンの力を兵器に利用する。それほどの悪事にも使えてしまう「イカロスの太陽」が無ければ、人類はホピス星を滅ぼした巨悪に打ち勝つことは出来ない。
 だからこそシャーロットは、せめてその力を正しく使える人間――即ち、弘原海に託したかったのである。

 そんな彼女の真意を理解し、その上でBURK隊員として彼女を裁くと決めた2人の女傑に、シャーロットは「イカロスの太陽」の処遇を委ねたのだ。
 その目論見通り、装置が日本支部に移されたタイミングでシャーロットの「狂気」を糾弾したヴィルヘルミーナと劉静は、彼女の「置き土産」を弘原海へと繋ぐことに成功した。

 質実剛健という言葉を体現してきた弘原海や琴乃では、このような清濁を併せ呑む道は選べなかっただろう。
 故にシャーロットはそれが出来る2人に、自分に引導を渡す役を任せたのだ。そしてヴィルヘルミーナと劉静も、不本意ながらその思いに応える形となったのである。

 その後間も無く、BURKを去ったシャーロットは事前に開発していたレーダー撹乱装置で行方を眩まし、消息不明となる。
 彼女の肉体を手に入れるために声を上げていた高官達は、ここぞというところで極上の獲物を取り逃がしてしまうのだった。張りのある豊満な乳房も、安産型の桃尻も、蠱惑的な唇も。終ぞ、誰のものにもならなかったのである。

 やがて。彼女達の策により「イカロスの太陽」を託された弘原海は、この数年後――世界の命運を左右する「決断」を下すことになるのだった。
 それは決して、万人から賞賛される道ではなかったが。少なくとも彼は紛れもなく、世界を救える道を選んでいたのである――。

 
 

 
後書き
 
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